各種会計処理 | ベトナムの税務・会計・投資

各種会計処理

l 財務諸表の表示

ベトナムの財務諸表の表示で特徴的なのは損益計算書の表示形式である。ベトナムでの損益計算書では受取利息・支払利息等の財務関連収益・財務費用に関しても営業利益項目となっている。


l 税効果会計

20052月に税効果会計に関する基準が制定・施行され、20053月期決算の企業より適用されている。主な一時差異としては、繰越欠損金(5年間)、貸倒引当金繰入超過額、減価償却費超過額、在庫引当金超過額等が上げられる。繰延税金資産・負債については貸借対照表上固定項目として計上される。


l 外貨建取引

200212月決算以前は為替差損益については全て資本の部へ計上するという基準が採用されていたが、2002年度中の会計基準の変更によりPL計上されることとなった。

期中取引に関しては発生日レートにて換算することが原則とされているが、前月末レートを用いて換算を行うことも実務上認められる。また期末には貸借対照表科目のうち、貨幣性資産・負債につき期末日レートでの換算が必要となる。


l リース取引

ベトナム会計基準においてもオペレーティングリースは費用計上され、ファイナンス・リース資産については、賃借人(Lessee)の会計帳簿に固定資産として計上することが必要になる。ベトナムにおけるファイナンス・リースとは、以下の条件のうち一つを満たしたものとされている。

a) リース期間終了時に、所有権が移転されるか、又は再リースの定めのあるもの。

b) リース期間終了時に、定額による買取権が与えられるもの。

c) リース期間が、法定耐用年数の75%以上であるもの。

d) リース料の総額が、契約時の市場における実際価値を上回るもの。


l 金融商品会計

現状ベトナムには金融商品会計に関する会計基準が導入されておらず、金融商品を有する企業の場合には国際会計基準を準用している。


l 減損会計

現状ベトナムには減損会計が導入されておらず、また著しく価値の低下した固定資産を減損処理する場合には事前に政府の承認が必要となる。


l 連結会計

2004年より連結会計に関する会計基準が施行されている。ベトナム証券取引所へ上場している、又はする予定の企業で子会社を有する企業は連結財務諸表の作成及び会計監査が義務付けられている。


l 企業結合会計

現状ベトナムには企業結合会計に関する会計基準は導入されていない。ベトナム国内の現地法人同士の合併又は買収事例は未だ少ないが、会計処理としては個別に財務省へ確認する必要がある。