アンドレ・ラプラント のピアノリサイタルを上野の小ホールにて。
1978年のチャイコフスキーコンクールで2位になった方。その時の一位はプレトニョフ、3位がデミジェンコでした。
前回のショパンコンクールで2位になった、カナダのシャルル・リシャール・アムランを育てた師匠として、日本では名前が知られるようになったんですよね〜。

昨日は前半ショパン、後半リストのプログラム

ショパン
幻想曲 へ短調 Op49
ソナタ第2番

リスト
巡礼の年 第二年 イタリア  ペトラルカのソネット
ソナタ ロ短調

打鍵は強く、パッセージごとの指回りが速いのですが、メロディが切り替わる時に、やや速度を落として次に展開するところ、もちろん意図していらっしゃるわけですけれど、ここまでヴィルトゥーゾだと、駆け抜けてほしいと思った瞬間がありました。でも、それはリストのロ短調ソナタを聴いて、納得しました。
ソナタロ短調は楽章が連なっていて、しかも音の密集している箇所が多くあります。ラプラントは、楽章間の切り替わりにある、単音の間合いや音の出し方にかなりこだわりを持ち、そこに聴衆の耳を集中させているようにも感じられました。ともすると、壮大な展開フレーズだけが耳に残るこの曲を、低音の単音フレーズにインパクトを持っていく、こういう表現がなされたのを意識的に聴けたのは、前半でラプラントの弾き方の特徴を知ったからかな。
上野の小ホールの隅々まで、ぴったりと音が満ちて、足りなくもなく、溢れ出てもいない。そこはすごいと感じました。
アンコールはシューマン 子どもの情景 第1曲とバッハ=ブゾーニ アダージョ  全く違う世界で、ピアニストとしての興味とともに、やはり人を育てる豊かさを持った方なのだなあ、ととても共感しました。

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まるでリストのようです。