アンドレイ・ググニン

ランチタイムリサイタル

2016年5月4日 12:30~
{A277DD84-F87D-4878-B956-840D3AECB6A8}

{2C79D344-4E06-4CBA-B60E-A3B9FF6BFF7C}


代々木上原 ムジカーザ

 メトネル「ロマンティカ」Op.53-1
シベリウス「6つの即興曲」Op.5-5
ショパン エチュード Op.25全曲

ロシアのアンドレイ・ググニンはまだ日本では知名度が高くはありませんが、ジーナ・バッカウアー国際で優勝、ウィーン国際ベートーヴェンコンクール2位、4月にカーネギーデビューを成功させて、この度日本にやってきた実力者です。モスクワ音楽院にて、ヴェーラ・ゴルノスターエワを師とした最後の3人のうちの一人だそうです。

5/3は京都にて、5/4は東京、5/5は静岡で演奏会が行われました。

メトネルのソナタ12番に位置づけられるこの曲。得意な作曲家というだけあり、この一見複雑な大曲を絵巻物のように聴き手の心にわかりやすく見せてくれる演奏でした。ペダリングに無駄が一切ない、という印象です。身体の軸がぶれることなく技術も高いですし、客観的で冷静なのに温かみのある音色です。

シベリウスの冒頭の音の出し方があまりにも繊細で、気持ちを一気に持っていかれました。これは美しい。メトネルでのソフトな音色とはまた違う、柔らかさの中にも光のある音色でした。

ショパンはどうなのかな、と思い期待が高まります。正確でどんな強弱も自在であり、コントロールが抜群でした。低音の迫力はロシアらしい響きも備え、圧巻のラストにみなさんも驚かれたと思います。

アンコールでは京都でも弾かれたようですが、プロコフィエフのソナタ7番の最終章、これは近年いろんなところで聴くのですが、端正で集中力抜群なのです。

決して裏切らない、どこで演奏しても一流の安定感と実力を備えたピアニスト、というのが本日のググニンへの私からの賛辞です。まだ二十代、これからどんな風になっていくのか楽しみです。