ヤブウォンスキというピアニストをご存知でしょうか…。日本での知名度は最近になって高まりつつある感じなのですが、本当に本当に素晴らしいピアニストです。
1985年のショパンコンクールにて第3位(ブーニンが1位になり日本で騒がれた時)になり、その後、欧米で活躍、ワルシャワ音楽院の教授になりました。
私もこのピアニストのコンサートに行くようになったのは数年前からですが、それまでは本当に日本でのコンサートは少なかったのです。でも本年度より、ジャパンアーツに所属するようになり、日本での演奏機会が増えると思います。
ピアニストに対して音楽性以前に人間性を求めるのはもしかしたら違うのかもしれませんが、この方のピアノには人間的な愛情の深さが満ち溢れています。技術的には模範的、ショパンだけでなくベートーヴェンのコンチェルトなどは深い洞察に裏打ちされていて、ベートーヴェン音楽をわかりやすく教えてくれます。

今回の武蔵野市民文化会館でのリサイタルは、ショパンのソナタ3曲という稀なプログラムでした。一番はほとんど聴いたことがありません。ショパンコンクールでも、前回課題曲に入れられたようですが、今回は外されてしまいました。ショパン17歳の時の作品だそうです。後の2つに比べて、かなり曲想が違います。
ヤブウォンスキさんはゆったりと豊かにこの曲を弾き、特に3楽章の美しさは、友人曰く「ここだけをずーっと聴いていたい」。幻想的で、若さというよりも今の季節のように味わい深かったのでした。
この楽章が前半のハイライトだと思いました。

後半の第3ソナタは、前半とのコントラストとしてもヤブウォンスキの持ち前である繊細さと迫力が余すことなく発揮されました。ショパンコンクールの若いコンテスタンツの演奏も魅力ですが、隅々まで解釈をし尽くした感のあるヤブウォンスキの深さにはやはり及びません。
ブラボーの嵐。

機会がありましたら、ピアノがお好きな方はぜひ聴いてみてください。絶対のおすすめピアニストです!
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