進撃のわかめ

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文才ないわかめが進撃の巨人SS書いてます
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※隣のクラスのあの子の続きです。最後って言ってたのになんとなくで書いてしまいました。このシリーズは本当にこれで最後です。

「ふぁ~あっち~」

「ジャン、さっき携帯が鳴ってたわよ」

「え、マジかよ。てか見てないよな…?」

「見るわけないでしょ。興味無いわよ。ところで芋って誰なの?」

「見てんじゃねえかッ!勝手に見るんじゃねえよババアッ!」

「かたいこと言うんじゃないよ。あと友達ならちゃんと名前で登録してあげな」

「…関係ねえだろ」

そう言って、机の上に置いていたケータイをひったくりジャンは自分の部屋に上がっていく

「ふふっ…友達じゃないみたいね」

ドタドタ階段を駆け上がっていく息子の後ろ姿を見ながら、母は呟いていた

一方、ジャンは部屋に着くなりベッドに寝転びケータイを開いて届いていたメールを見る
差出人のとこにある「芋」という文字を見て、にやけかけていたジャンの顔は完全ににやけた

「今日の夕飯はハンバーグです!美味しそうでしょう!ところでジャンは今何してますか?」

そんな「芋」ことサシャからのメールにはハンバーグの写真と共にこう書かれていた
相変わらず食べ物のことかよ、と半ば呆れつつジャンは返事を書き始める

「今、風呂から出たとこ」

しかしけっきょく返信をするこはなかった
書いている途中で電話がきたのだ
画面には「芋」と出ている

「もしもし!ジャンですか!?」

通話ボタンを押すと携帯から元気な声が聞こえてきた

「声でけえよ馬鹿」

苦笑しながらジャンが言うとサシャは

「えへへ、すみません」

と笑いながら言っきた
ジャンが言い返そうとするとそこで、サシャが爆弾を放り込んできた

「ジャンの声聞きたかったので電話しちゃいました」

照れ気味な声で小さくサシャは呟く

「…そ、そうか」

「あれ?ジャンどうしたんですか?」

「…なんでもねえよ」

ぶっきらぼうに答えたジャンの顔は真っ赤になっている

「で、ジャンは今何してたんですか?」

「ん?あぁ、俺は今風呂から出たところだ」

「もうご飯食べたんですか?どうなんですか?何食べましたか?」

「そんなにまくし立てるなよ。まだ食べてねえんだから。今から食べるんだよ」

サシャの質問の勢いにハハッと笑いながらジャンは答えた

「ジャンの今日のご飯は何なんですかね!楽しみです!」

「なんでお前が楽しみにしてるんだよ。もう食べたんだろ」

まるで自分が食べるかのような言い方にジャンは苦笑していると、階下から母親が声を上げる

「ジャン!ご飯できたから食べな!」

「おっ、飯らしいから一旦切るぞ。また後でな!」

「わかりました!ご飯何だったか教えてくださいね!」

「わかったわかった。あとでメールするわ。じゃあな」

電話を切るとジャンは体を起こし部屋を出た

「あいつほんとどんだけ食に貪欲なんだよ」

ジャンは笑いながら呟き、階段を降りていく

「えーっと、今日のご飯はカレーとサラダだった…と」

ご飯を食べたジャンは約束通りサシャに夕飯の内容をメールで送った
その瞬間サシャから返信がきてあまりの早さにジャンは苦笑する
そのあと何度かメールをしてからジャンは布団に入って寝始めた

次の日、ジャンが駐輪場に自転車を止めていたとき突然後ろから背中を押され前のめりになった

「うわっ!誰だよ…」

「ジャン!おはようございます!」

ジャンが起き上がって後ろを振り向くとそこにはサシャがしたり顔で立っている

「サシャお前か…危ないだろ…」

「えへへ、予想以上にいいリアクションでしたね。見ものでしたよ」

「オレで遊ぶんじゃねえよッ!」

「いや~ジャンってイジると面白いからついついしちゃうんですよね~」

サシャはジャンの言葉を完璧に無視して笑いながら言う
それを見てジャンは顔をしかめるが言ったところでやめないのを知っているからかそれ以上言わずに歩き出した

「あ、待ってくださいよ」

「うるせえお前なんか遅刻して怒られろ馬鹿」

追いかけてきて横に並んだサシャにそう言ったジャンの顔は笑っていた

「うおーやっと昼だー。ベルトルト飯食うか」

「そうだね。ジャンも一緒に食べる?」

「あー、いや今日は別のところで食べるわ」

チャイムが鳴り昼休憩になると生徒たちは各々弁当を食べ始めた
その中でジャンは弁当を持って教室を出て行く

「サシャのところかな?」

「多分そうだな」

そそくさと教室を出て行くジャンを見ながらライナーはハハハと笑い言った
その頃ジャンは屋上に通じる階段を登っていた
ドアを開けると既にサシャは来ていてご飯を食べている

「早いな」

「あ、ジャン遅いですよ。もう全部食べてしまいそうです」

「チャイム鳴ったのついさっきだぞ…いくらなんでも早食い過ぎだろ…てか一緒に食べようって言ったのお前なんだから待ってろよ」

「あはは…お腹空いちゃってつい…」

そう言いつつもサシャは口におかずを運んでいる
その様子を見てジャンはため息を吐くがもう何も言わず自分も弁当を開けて食べ始める

「美味しそうなおかずがいっぱい入ってますね」

「俺だって腹減ってんだからあげねえぞ」

「く、くださいなんて言ってないですよ!」

「顔にくれって書いてあんだよ」

なぜか照れて顔を赤くしているサシャを見てジャンは笑う

「しょうがねえな。ほれ、口開けろ」

「くれるんですか!ジャン大好きです!」

豚の生姜焼きをポイッとサシャの口に放り込むとサシャはニコニコしながら食べている
一方、ジャンはサシャの大好きですという言葉で顔を赤くしていた

「美味しいですね~。ジャンのお母さん料理上手いですね!また食べたいです!」

「ん~じゃあ今度来るか?期末試験近いし勉強しに」

「うっ…勉強ですか…」

「お前中間試験の結果体育以外ひどかっただろ。教えてやるから」

「ジャンって見た目勉強できなさそうなのに地味にできますよね」

「…お前喧嘩売ってんのか」

「違いますよ褒めてるんですよ」

目を逸らしながらハハとサシャは言う

「日曜部活あんのか?」

「日曜は休みです!」

「じゃあ日曜14時に俺の家に来てくれ」

「はーい。ご飯楽しみにしてますね!」

「その前に勉強だ」

サシャのおでこにデコピンをかましながらそう言ったジャンの顔は笑っていた