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Sanctuaire

独り言です。

もう、ずっと昔のこと・・・


「おじいちゃん、あなたのランドセル姿見たいって言ってたのに、叶わなかったわね」

「大丈夫だよ!おじいちゃんは天国できっと見守ってくれてるんだから。

入学式も見に来てくれるし、いじめられても守ってくれるんだ。そうでしょ?」

「そうね」

「テストで100点取ったら、お母さんとお父さんは褒めてくれる?」

「初めてのテストで満点取ったら、ご褒美を買ってあげなくちゃね」

「○○○に出来るのか?入学前から張り切りすぎだぞ」

「絶対100点取って、びっくりさせてやるんだから!本当だよ!」

「○○ちゃんなら出来るわ、幼稚園でも優秀だって先生に褒められる子だったもの」

「○○○は、優等生だからな。将来T大にも行ける頭を持っている自慢の子だ」



・・・こんなやり取りだけ時々脳裏に蘇る。

今はきっと母と一緒に病院で入院の説明を受けている頃だろう。

母はまだ、娘の思惑を知らない。


(2014.04.07)

今更、このブログのタイトルですが。

Sanctuaire(サンクテュエール) 英語ではSanctuary  (意味はこちら)


仏語では別の解釈も含まれるのかもしれませんが。

誰にでも心の中に他人には踏み込まれたくない特別な場所があると思います。

人によって違うとは思うのだけれど。

何人たりとも侵してはならない、聖域。

最初は自分だけの場所にしようと思っていました。

途中から「聖域」の部分は守りつつ、表現の場にしようと思ったのです。

誰もわかってくれなくていい、ただその時、その瞬間の自分の心の軌跡を。


「聖域」

そこに踏み込まれたとき、心が壊れてしまうのです。

人間は苦しみが飽和状態になっても生命を保っていけるほど強くはありません。

心も同じです。

悲しみ、苦しみが飽和状態になったら、そのままではいられなくなってしまうのです。

私はもうこれ以上の苦しみを抱えることが出来なくなりました。

ただ、眠りたい。
心というものは何処に存在しているのかという話。

頭脳で物を考えるのだから、頭だろうという人もいる。

鼓動が早くなったり、締め付けられる思いを感じるのは心臓だから、心臓だろうという人もいる。


「coeur」というフランス語がある。(英語の「heart」とほぼ同義だろうか)

直訳すると「心臓」なのだが、「心」という意味で使われることもある。


自身の考えを述べれば、「考」の部分は頭脳であり、「想」の部分は心臓に宿っていると思う。

心は感じるもの、考えるよりは想うものだと思うのだ。

考えるばかりが心では寂しいのではないか。

心臓の温もりに心があると思っている。

・・・答えは誰も出せないのだけれど。


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ずっと昔の飼い主の話。

丁度今頃、桜の咲く季節だった。

「花見に行こう」と誘われた。

ふとしたきっかけで口論になった。

結局、花見は中止になった。

その日、飼い主と飼い猫の関係は終わった。

我儘を言っても、甘い鳴き声で求めても、いつも優しく受け止めてくれたのに。

涙が枯れても悲しみが止まらなかった。

大切な存在を失い、自暴自棄になってしまう日々が続いた。


数年後、秋の訪れる頃。

昔の飼い主と再会する機会があった。

「どうしてあの日飼い主をやめた?」と聞いた。

「私には君の病気を受け入れる心と自信が足りなかったんだ」と元飼い主は答えた。

忙しい中カウンセリングに行って飼い猫の病気の相談までしていたという。

飼い猫の治療費と生活費、経済力、色々悩んだ末の結果だったそうだ。

「何故言ってくれなかった」と問い詰めた。

「いざという時に頼りになれない飼い主なら、君に相応しくないだろう。

だから私は君の元を去った。愛していたから決断しなければいけないと思った」


忘れかけていた想い出と涙が溢れた。

涙が零れ落ちる前に、少し寂しげな笑顔で黙ってハンカチを用意してくれていた。

どこまでも不器用で優しい人だった。

ここ数日、ずっと手足が冷たくなったり震えたりしていた。

身体も心も冷えている所為だろうか。

部屋着のまま外に出た。


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公園には少し葉っぱが混じった桜の木。

舞い落ちる花弁を見て、心のざわめきを感じ、写真を撮りたくなった。


park

iPhoneのカメラにはまだ慣れない。

画質を上げるにはどうしたら良いのだろう。

ぼんやりと空を見上げ、考えを巡らせるうちに頬に冷たい雫が一滴当たった。

雨だった。

水滴の冷たさに誘われたのか、両の瞳から涙が溢れた。

近くの店に入り、雨と涙が止むのを待っていたら気付いたら3時間経っていた。

桜の季節には思い出があるのだ・・・