「You 宇治へ来ちゃいなよ」
その一言からすべては始まった
人生の転換期というのは、いとも簡単に、かつ大胆に訪れるものらしい
与えられたチャンスを掴むかどうかは、本人の覚悟次第

びちゃはちっちゃな世界で息をひそめて生きていた
誰かの望みに応え続けて生きてきて
いつしか”先生”と呼ばれるようになっていた
某大学医学部の教員として教育と研究に勤しむ日々
国際学会で受賞したり、特許をとったり
“先生”が独り歩きを続ける

1人暮らしの都会的なマンション
そこには闇が大きな口をあけて待ちかまえている
歩いていて、ふと涙がこぼれる日もあった
身体がうまく機能しなくなった日も
人生なんてこんなものだと思っていた

びちゃと”先生”の違いがふくれ上がっていく
心身ともにいびつになってゆき、もう何年も心底笑っていない
それでも自覚はなくて”先生”の時計は回り続ける

そんなとき、ある人に出会った
たくさんの人の繋がりに導かれて、出会わせてもらえた大切な人
巫女みどりさん
みどりさんの一言でびちゃの時計は大きく動き始めた
「You 宇治へ来ちゃいなよ」
温かく、力強い、魔法のことばで

びちゃ生活が始まった時計