unSea Rehearsal the sea

日時: 2023.7.17(月) open 14:30 / start 15:00
場所: 渋谷WWWX
料金: ¥1,000 /¥1,500 (+ドリンク代)
 
この日は8人組アイドルユニット「unSea」が初お披露目される日とあって渋谷WWWXへ。
昼間と夜の2部構成になっていたが、自分は昼の「Rehearsal the sea」だけ参加。
その名の通り、本番前のリハーサルをそのままお客さんに見せてしまおうという企画だ。
 
 
開演時間5分ほど前に到着。
WWWX前は明らかにまなみファンと思われる方が大勢たむろしている。50人~60人といったところか。
自分はチケット番号の後半。最後にスタッフのかたが「160番までのかた~」と叫んでいるのが聞こえる。
 
長い長い階段を歩き、受付にたどり着くと、なにやらリトルマーメイドの劇中音楽かと思われるような軽やかなシーサイドミュージックが流れている。
unSeaの由来が「under the Sea」なのを考えると、「いや、もうぜんぜん地上っぽいやん」というツッコミをいれたくなったが、まあ明るいことはいいことだよね。
薄暗いライブハウスのその一角だけが南国だった。
 
左側にはグッズ紹介のスペース。
ピンクと青を基調としたパステルカラーが可愛い。
3組のグループはいずれも「フリフリ感」とは別次元で活動してきたグループなので、こういう姿をみれるのはパラレルワールドの1分岐を垣間見れたような特別感があってよき。
 
受付をすましてフロアに入ると、またそこには別の世界がひろがっていた。
 
目に飛び込んできたのは、ステージを飾る淡いブルーと濃紺の布。
照明は南国の海を連想させる透明感のあるライトグリーン。
BGMは波の音。
静謐さがフロアを覆っていた。
 
開演までの残り時間を、ぼんやりとステージをみつめて過ごす。
 
まなみのりささんは一度だけライブを見たことがあった。
いつだったかのTokyo Idol Festival。当時は無料で見れたスマイルガーデンだ。オタクたちと一緒にポラリスで芝生の上を回った記憶がある。
その後、持ち歌をすべて取り上げられ、再び0からスタートし、そして今年の2023年4月に解散したという事実だけを知っていた。
自分はほとんど接点はなかったアイドルグループさんだったが、同じ広島出身のPerfumeの存在があまりにも大きすぎて、不完全燃焼のまま終わりを迎えてしまった。そんな印象だった。
 
そんなまなみのりさの「まなみ」「みのり」の2名が、透明写真とBLUE BLUE BLUEといる3人組アイドルユニットと組んで、8人組アイドルユニットを作ると聞いた時には本当に驚いた。
恐らく接点は、まなみのりささんの解散ライブ直前に行われた対バンライブだけだったと思うのだが、年齢も事務所も出身地も音楽性も異なる3組が同じグループとして活動するのは、とても珍しいのではないか。
まなみさん、みのりさんの「まだまだ不完全燃焼」感が、きっとこんな珍しい形でのコラボレーションを生み出したに違いない。
 
初ライブに先駆けて行われた泊りがけの合宿の最終日。
ファン向けに公開された動画配信では、みのりさんが感極まって涙を見せる場面もあった。「またアイドルをやれる」という思いと、ハードスケジュールで強硬した合宿内での想定外の「8人の一体感」がみのりさんの心を動かしたに違いない。
 
そんな期待感の中での初ステージ(初リハーサル)が始まる。
 
 
・・・が、重々しい期待感とヒリヒリした緊張感に反するように、8人のメンバーがTシャツ姿でユルっとステージに登場 (笑)
 
まず、みのりさんが「unSeaの自己紹介を考えてきました...」と口を開く。
8人がせーの!で「unSeaです」と声をあわせ、その後、両手をクロスさせて「ヒョロロロロー」というポーズ。
 
えっ、ゆるい。ゆるすぎる。
 
みのり 「RINちゃんが考えてくれた」
RIN 「たまたま考えた」
みのり 「魚が下から上にあがっていく感じ?」
 
そして、まなみさんが「ヒョロロロローをお客さんにもやってもらう?」と言い出し、フロアにいるお客さんにも「ヒョロロロロー」を強制的にやらせるプレイ。
若干の恥ずかしさをぬぐえない。
 
みのりさんが「真剣にリハーサルするから、(お客さんを)放置するよ」とフロアに言い捨てて、リハーサル開始。
 
 
1. グレーに溺れて
 
みのりさんの「放置するよ」という言葉通り、ガチのリハーサル。
まずは音なしでの立ち位置確認。
メンバーが鼻歌で曲を歌いながら、ステージ上でのフォーメーションを確認している。
ひととおり確認してから、PAさんに音をだしてもらう。
みのり 「いちばん緊張しているかも」
まなみ 「だってこんなことない。初ステージは15年前。15年振りの初ステージ」
 
いわゆる振り付けは少なく、歌できかせる曲。
サビは、8人全員がマイクをもち、横一列になって歌い上げる。
迫力がすごい。
今日が初お披露目グループなのに、しかもリハーサルなのに、めっちゃ堂々としてるし、完成されている。
1曲目で引き込まれた。
 
2. 願い
 
引き続き、フロアを置いてきぼりにしたリハーサルがつづくw
 
まなみさんが、リハの中で、透明写真のMIOさんを「みおすけ」と呼んだのが印象的だった(そこ?)
その後、MIOさんのSHOWROOM配信で「みおすけ」は、自分自身による自主提案だったことが判明。
unSeaには「みのり」「MION」「MIO」と似た名前が多く紛らわしいので、区別するために呼び名を考えたらしい。どうやら学生時代のあだ名らしく「すけ」は「スケトウダラ」の「すけ」だったか。
 
みのりさんが「この曲で、1、2、3、4と言うので、一緒に1、2、3、4とコールしてほしい」とフロアに呼びかけるが、まなみさんから「いや、(お客さんは) 曲知らないのに、どこで1、2、3、4って言ったらいいか、わからないよね?」と冷静にツッコミをうけて、固まるみのりさん。
「いや、これリハーサルだから、いま覚えてもらおう」
「本番でできればいいよね」
 
3. それは僕を成さない
 
引き続き、フロアを置いてきぼりにしたリハーサルがつづくw

 

ステージ上で8人がそれぞれ座る振り付けをしようとしたときに、みのりさんが「なんかRINちゃんが困ってる...」と声をかける。

見るとRINさんが、見るからにアワアワしている。

「ちょっと(ステージが)濡れていて」

どうやらRINさんが座る場所が水で濡れているらしい。

ここでまなみさんが「ごめん。わたしがさっき水をこぼしちゃった」と声をあげる。

えーーっ、とステージ上のメンバーからも、フロアのお客さんからもブーイングが出るw

スタッフがあわててステージをふきはじめる。

たわいもないやりとりだが、メンバー間がそれぞれを気遣っている感じが垣間見れてよい感じだ。
 
この曲の歌いだしはMIONさん。圧倒的な声量と歌唱力でフロアを黙らせる。
PA室のプロデューサーさんも思わず「うまいよね」と影ナレでしゃべってしまうくらい素晴らしかった。
曲中でもちょくちょく、まなみのさんがハモってくるのが心地よい。さすがです。
 
4. 恋ハリ
 
RINさん振り付けによるタオル曲。
RIN 「(メンバーが)タオルをもぞもぞさせたら、この曲だと(察して)」
その後もRINさんが「ぐるぐるぐるーー(と回って)」など独特の擬音を多用しながら、振り付けを指示だししていく。
 
unSeaの面白いところは、振り付け担当が3人いるところだ。
まなみさん、HANAさん、RINさんの3人だ。
それぞれ各グループで振り付けを担当している3人だが、このunSeaでは楽曲ごとに担当を割り当てて、振り入れしているようだ。
それぞれバックボーンの異なるダンスを経験してきているので、同じグループなのに振り付けのテイストが曲ごとに異なるのが面白い。
今後は「この曲はだれそれの振り付け曲だ」などと思いながら見る楽しみもできて嬉しい限りだ。
最後にみのりさんが「本番まではまだ時間があるから、タオルを買ってもらって...」としたたかにグッズ営業するところはさすが。
 
5. The Oneder World
 
このあたりから残り時間が少なくなり、巻きでリハが進む。
 
The Oneder Worldは、合宿配信内で行われた「unSeaで一番好きな曲は何?」という質問に対して、メンバー内で一番人気だった曲。
ノリがよく、ライブ映えする楽曲だ。
 
6. シースルー
こちらはリハーサルなしで、通しで1曲を歌唱。
メンバー内では二番人気の曲。
なんかあっという間すぎて、このあたりは記憶に残ってない。
 
 
最後は「ばいばーい」とステージを後にする8人。
 
いやー。リハーサルだったけど満足感があった。
というか既に完成された美しさや力強さがあった。
歌唱力のあるまなみの。ダンススキルの高いBLUE BLUE BLUE。透明感の透明写真。
それぞれの持ち味がうまく重なって、よいチームになっていた。
 
3組ともにそれぞれのグループで十分に経験を積んできているメンバーなので、当然といえば当然なのかもしれないが、unSeaは安心してライブを楽しめるアイドルグループだ。今後が楽しみだ。
 
 
 
セットリスト
1部 Rehearsal the sea
1. グレーに溺れて
2. 願い
3. それは僕を成さない
4. 恋ハリ
5. The Oneder World
6. シースルー
 
2部 Under the sea
Opening. 詩空(しずく)
1. グレーに溺れて
2. シースルー
3.それは僕を成さない
4.The Oneder World
5.恋ハリ
6.願い
7.この世界で
Encore. シースルー