なんと年明け間もない1月7日に二組のアイドルさんが相次いで解散を発表した。
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2019年01月07日 20:00
THERE THERE THERES@TTTS_AQBI
THERE THERE THERES解散のお知らせいつもありがとうございます。グループを解散することにしました。これからは新グループ、ソロなど、個人に合った活動を頑張ります。応援してくださってるファンには本当に申し訳ありません。https://t.co/W2cuuRDGG3#ゼアゼア
2019年01月07日 21:00
解散の本当の理由はきっと明かされることはないだろうし、第三者が少ない情報であれこれ言うことでもないけれども、THERE THERE THERESのディレクター田中さんの「結成当初からずっと、グループの中に壁みたいなものができてしまいます」という言葉に、ちょっと感じる部分があって、ヲタクの戯れ言と思いつつ、つらつらと思いを書きたくなった。
職業柄、マネジメント論みたいなものをこれまで色々と教育させられてきたけど、テクニック的なものを除くと、大抵、マネジメントの成功は「ビジョンの共有」に集約されてしまう。
だいたい、立場や利害関係の異なる人間同士が集まって物事を進めるのだから、うまく行くほうが珍しいわけで、わたしも仕事で多くのプロジェクトに参画したが、成功したといえるプロジェクトなんて二割ほどしかないんじゃないかな。それほど、人が集まってものを進めるのって難しいと思うのだ。
そんな時の拠り所とするのが、ビジョンとか理念とかになるらしい。(ホントに請け売りの知識だけど)
企業やプロジェクトには必ずビジョンが必要なのだが、よくある過ちは、ビジョンとして「利益を追求する」を掲げてしまうことだ。これはあくまで条件や手段であってビジョン(目的のようなもの)ではない。
ソフトバンクなんかだと「情報革命で人々を幸せに」だし、今話題の日産なんかも「人々の生活を豊かに」だったりがビジョンになる。
こういうビジョンを掲げて、それに向かってスポンサーや経営者やリーダーやメンバーがそれぞれの役割を果たしながら、同じ方向を向いて進んだ時にはじめて成功するものなのだ。
...じゃあ、アイドル運営も企業活動のひとつと考えたとき、アイドル運営のビジョンとか理念って何なの?同じ方向を向いて進むってどういうことなの?とふと思ったのだ。
企業のビジョンに「利益を追求する」を掲げてしまうのは過ちだというのは、既に述べたとおりだが、アイドル運営のビジョンに「集客10,000人」とか「オリコン1位」とか「CD10万枚売る」とかを掲げることは「利益を追求する」をビジョンに掲げるのと似たようなことであって、それをビジョンとして掲げるのは誤りなのではないかと思うのだ。
そういう意味で、うまくビジョンを設定できているアイドルがNegiccoさんだ。
Negiccoさんの当初のビジョンは「武道館ライブを開催すること」だった。しかし、NHKホールワンマンで「武道館をあえて目指さない」ことを宣言し、その後の彼女たちから発せられる言葉を集約するならば、「新潟を拠点に活動し、良質な楽曲やダンスを見てもらうことでファンに多幸感を提供し、地元からも地元以外からも長く愛され続けるアイドルグループを目指す」というビジョンを定義しているように思える。
つまり利益や売上の拡大を目的とするのではなく、ファンから愛されながら長く活動を続けることを選択したのだ。
随分と長くなってしまったが、ここでTHERE THERE THERESのディレクター田中さんの「結成当初からずっと、グループの中に壁みたいなものができてしまいます」という言葉に戻ってみる。
この言葉だけをみると、ディレクターとメンバー、もしくはメンバー同士が同じ方向を向いて歩んでいくことができなかったのだと読みとれる。きっと、同じビジョンを共有できていなかったのだろう。THERE THERE THERESさんのビジョンが何なのかは分からないが、メンバーがビジョンに共感できなかったか、もしくはビジョンそのものが設定されていなかったのか、色々な原因が考えられる。
ただ、もしかして誤ってビジョンを「売れること」や「利益をあげること」に設定してしまっていたとするならば、それではチームはうまく回らないはずなのだ。それはマネジメント論的には手段であって、目的ではないからだ。
正しくビジョンを設定できていたのだろうか。
ビジョンはメンバー間で共有できていたのだろうか。
アイドル二組の解散の報を聞いて、そんなことをマネジメント論を思い返しながら考えさせられた。
・・・とキレイごとを書いて見たものの、やはり利益が出ないと当面の資金繰りには困るわけで、企業活動(アイドル運営)って難しいなと。
そして純粋にヲタク視点で見るならば、やはりアイドルさんには、可能な限り長く活動を続けて欲しいなと思うわけです。