経験上、こんな部位に異物が詰まったのは見たことがありません!

稀な症例だったので、紹介します。

 

 

<症例>

柴犬、オス、7カ月齢、7㎏

    

主訴:金属製のフックが口腔内で引っかかっていたため、飼い主が無理やり引き抜い

   たとのこと。その後、多量の出血とフック先端のキャップ(塩化ビニル製?)

   がなくなっていることに気づく。

   誤飲したかもしれないとのことで来院 

 

物はこれです!

長さ20cmぐらいでしょうか。先端のキャップがありません。

先端の金属部分で口腔内粘膜を傷つけた可能性があります。

初診時は、抗生剤、抗炎症剤、止血剤を投与して経過観察としました。

 

 

翌日、下顎が腫れているとのことで再診

確かに、ぷくっと膨れています。

硬いしこりの様です。

 

 

画像検査

金属性のものではないようです。周囲に液体が貯留しています。

 

 

剃毛後

明らかに何かありそうです。

 

 

 

手術の様子(下顎の皮膚を切開)

白いものが出できました。先端のキャップです!

 

 

 

舌下の口腔内粘膜を突き抜けて、下顎皮下に収まったようです。

 

異物による口腔内裂傷は、珍しいものではありませんが、今回のような症例は初めてです。

 

ペットにとって危害になるような物は、手(口?)の届くところには置かないようにしましょう!

 

今回は悪条件が重なったケースで、非常に稀な症例でした。

 

 

 

脱走して、帰ってきたらグッタリ(嘔吐、元気食欲なし)とのことで来院

 

<症例猫>

MIX、1才、雌

 

初診時の様子

かなり広範囲にできた腹部の内出血

 

 

血液検査では、CPKとSAAの上昇

 

 

エコー検査

  

脾臓に何やら違和感を感じます。

 

 

CT検査

 

凹凸や若干のコントラストの差がある脾臓

 

 

部位によっては、挫滅したような脾臓

 

離断したような脾臓  

 

 

 

 

剃毛すると、さらに事故の衝撃さが分かります。

 

 

切皮すると皮下組織はコーヒーゼリー状です。

 

 

モノクロで分かりにくいですが、明らかな変色とほぼ離断しています。

 

 

部位によっては、挫滅したような状況も見受けられます。

 

 

 

 

 

術後6日目に無事退院しました。

事故の可能性が高そうですが、いずれにしても助かってホットしています。照れ

 

 

猫の管理方法として、完全室内飼育が主流になりつつありますが、その重要性を改めて認識させられる症例でした。

 

屋外での感染症や事故を未然に防ぐために、完全室内飼育の徹底を切に希望します。

 

 

 

久しぶりの投稿となります。

早いもので前回の掲載から半年!月日が経つのが早すぎる!

 

狂犬病予防やフィラリア予防など、あわただしい日々がようやく落ち着いてきたので、しばらくぶりに投稿します。

 

今回の症例は、フレンチブルドッグ!

<症例の詳細>

11.5kg 7才 雌(未避妊)

食欲低下、嘔吐    T38.7

 

血液検査

LIPの軽度の上昇、CRP 2.8 でその他の項目は正常範囲でした。

 

   

 

未避妊ということで、まずは子宮疾患を疑います。

案の定、子宮に液体が貯留していました。子宮蓄膿症の疑いです。

 

ここまでは一般的によく見られる疾患ですが、今回の症例では、腹腔内にかなり大きな腫瘤が認められました。

 

異常像(腫瘍)

 

 

正常像

 

 

 

さて、この大きな腫瘍は何か?

位置的に、左側の腎臓腫瘍や脾臓腫瘍を疑います。


CT検査を行いました。(小型CTでも少しは役に立ってくれました照れ

  

 

  

向かって左側(黄)が正常な右腎、右側(赤)が異常な左腎です。

明らかに大きさや形が異なります。

 

両側とも造影剤(尿)が排泄されているので、左腎(赤)にも機能している組織(黄緑)がまだ残っています。

 

 

手術の様子

    

ボコボコと歪な形をしているのが腫瘍化した腎臓です。

 

   

 

 

左の腎臓を摘出後、卵巣・子宮全摘手術も併せて行いました。

 

 

翌日の様子です。

 

 

術後4日目の血液検査において、腎機能が正常範囲内であったため退院としました。

病理検査結果は、腎細胞癌でした。

今のところ、明らかな肺転移などは認められませんでした。

 

 

 

今回の症例は、腎細胞癌の他に子宮疾患を併せ持っていたことから、複雑な症状を示していた可能性があります。

いずれにしても術後の経過は良好で、元気・食欲もでてきたとのことで、リスクのある手術でしたが、結果的には延命につながったと考えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私事ではありますが、こんなものが届きました。

 

 

興味本位で応募(写真を送付)したらしいのですが、一次審査の通過もびっくりで、二次審査は面接でしたが、

まさかの合格!

 

 

 

情緒安定やコミュニケーション能力など成長過程での刺激になればと思い、また私自身の後学のため(そんな歳でもありませんが)、百聞は一見に如かず  うむ~ショボーン まあなんでもいいですが!爆  笑 

とりあえず入所させることにしました。

 

個人的な希望としては、ペットわんわんと戯れたり、ペットオッドアイ猫に関連した映像や画像が撮れれば幸いです。

 

奇跡的にも!奇跡的にも!万が一!万が一!映像や画像が掲載・採用又は出演するようなことになりましたら、報告させていただきます。

 

公私ともに、色々と忙しくなりそうです。

 

 

飼主さんがみて明らかに異常と分かる疾患の一つに整形外科疾患があります。

特に骨折の場合は、挙上した足がブラブラするなど、飼い主さんにとっては悲鳴を上げるほどの心境になることもあり、慌てて来院されることもしばしばです。

整形外科疾患に限っていえば、命に係わることはほとんどなく(交通事故などによる内臓損傷を伴う場合は別として)、骨折などの場合は骨折部位周辺の腫れを治めるために、発症後数日経過してから手術を行うことも少なくありません。

 

 

今回は新年早々に実施した、整形外科手術2症例を紹介します。

 

症例①

<トイプードル>

6カ月齢、オス、1.5㎏ 落下による骨折

 

橈尺骨折ですが、遠位端ぎりぎりの成長板(骨端軟骨)骨折です。厄介ですショボーン

ここで悩ませるのが、骨幅4.5mmあるかないか!

Φ1.2か?Φ1.5か? プレートの選択に迷いますショボーン

 

 

Φ1.2 Locking plateを選択しました。

外固定をしっかりしないといけません。

 

 

   

 

 

 

約2か月間は外固定を装着しますが、治癒(骨癒合)状況をみながら外固定のプレートを少しづつ切り込み、患肢に負重をかけさせながら治療を進めていきます。

 

 

 

 

 

症例②

<ピットブルテリア×ブルドッグのMIX>

1才、オス、15kg、両側膝蓋骨内方脱臼(グレード2)

突然、左後肢の跛行が始まったとのこと。

触診で膝を曲げ伸ばしすると、ガリガリパキパキと飼い主さんでも分かるほどの脱臼音(摩擦音)が聞こえました。

 

   

膝のお皿が外れることにより、軟骨がすり減っています。

 

 

 

 

滑車溝造成、筋肉分離、縫縮、脛骨粗面転移を行いました。脛骨粗面は1cmほど転移させたためピンを4本入れました。

 

 

 

さすがブルテリアとブルドッグのMIXです。キン肉マンです!

術後3日目には、患肢をほとんどかばうことなく重戦車のごとく引っ張ります。

 

前述したように、整形外科疾患において緊急を要する場合はほとんどありませんが、跛行など飼い主さんにとっては痛々しく見えるため、早めに対処してあげたいと思うのは当然のことです。

 

 

予防が一番!

先天的な疾患は別として、目を離したすきの事故や不注意による事故は、未然に防ぐことができます。

どんな時に事故が発生しやすいかなど、知識を持っていただき、十分な予防対策をお願いします。

 

 

<参考>

アイペット損保|〈経験者のホンネから予防の大切さを学ぶ〉うちの子骨折ルポ