第13弾 好きなものの話 テレビドラマ『医龍』
2006年の4月からフジテレビ系列で放送されたテレビドラマ。
もともとはビッグコミックスペリオールという月2回発行の青年漫画雑誌で連載されている漫画が原作です。
作品を織り成す魅力的な登場人物、医療ミス、抗がん剤治療、院内感染、内科と外科の対立、チーム医療、医局制度と現在医療を取り巻く諸問題を告発する物語です。
原案者の永井明は、医師、医療ジャーナリストとして活躍したが、肝臓がんのため、2004年7月7日に逝去。
しかし漫画は現在も連載中です。
・医龍についてのWiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%BB%E9%BE%8D-Team_Medical_Dragon -
第1弾が好評だった為、2007年10月から第2弾が放送された。
第2弾は原作とは違いテレビ用の完全オリジナルストーリー。
最近は漫画が原作のドラマや映画が次々と発表されているが、
ほとんどの作品は、原作には及ばない。
・漫画原作のドラマ一覧
・漫画原作の映画一覧
特に最近小説や漫画の原作がヒットしたものをドラマ化・映画化するという現象が加速度を増している。
製作側のリスク回避の為だろうが、何かどんどんテレビや映画がつまらなくなってしまいそうで観る側としては悲しい。
今のテレビはバラエティやドラマの再放送や、海外ドラマ、外国映画が放送されまくっていて、新しく番組を作り出すという事が減っていて、お笑い好きとしても、新しい試みや新しい笑い、芸人が出にくい状況になっているのでとても悲しい状況です。
今回は『許せない話』ではないので、テレビへの批判はこれくらいにして、
この『医龍』というテレビドラマは原作に負けないくらい魅力的な作品に仕上がっていると思う。
もともと原作を読んでいたので話は面白いのは分かっていたが、
『ドラマになるとなあ・・・・・・』
『このキャラクター、この人のイメージじゃないねんけどなあ・・・・』
などとアラが見えたり、不満が出てくるものなんですが、そのような事がほとんど無かった
しかも一部原作と変更している部分なんかもあったのですが、それがドラマの中ではうまく機能していて、とても面白かった。
主人公の坂口憲二さんをはじめ、佐々木蔵之介さん、阿部サダヲさん、小池徹平さんなど脇を固める俳優陣や岸部一徳さんや池田鉄洋さん、夏木マリさんなどの個性派俳優も物語に見事にマッチして、素晴らしい作品に仕上がっています。また、医療ドラマなので心臓手術(主にバチスタ手術)や、その他の外科手術のシーンが多々出てきますが、その描写も素晴らしく、逆に漫画では表現できないような部分までリアルに細かく表現しています。
個性溢れる俳優陣の演技、臨場感溢れる音楽、複雑に入り組む人間関係、刻一刻と迫る生命の危機、息をもつかせないハラハラドキドキな展開、夢中になる事間違い無しです
見ていない方は1,2共にDVDが出ているので
ぜひとも見てほしいと思います。
なんだか『医龍』の宣伝みたいになってしまいましたが、何がいいたいかというと、
原作を超える作品を作る(少なくとも見ている人の何割かにそう思わせる)というのは、簡単そうで実はとても難しい事だと思います。
特に原作を知っている人はすでにそれぞれのイメージを持ってしまっているので、それを上回るのは至難の業です。原作が面白ければ面白いほどハードルが高くなるからです。
ある意味オリジナルで面白い話を作るほうが簡単かも・・・・・。
いい意味で期待を裏切ってくれる作品というのはそうありません。
そんな数少ない期待外れの『医龍』が大好きです。