出汁の魔法
わたしは出汁が大好きで、
昆布や干し椎茸を水に浸けて
「水出し出汁」を作っておき、
すぐに使えるようにしています。
ある日、
無性に鰹出汁の味が欲しくなったので、
「そば? うどん?」
自分が「何を欲しているのか」
フォーカスしてみたら、
鰹節パックをマグカップに入れて
お湯を注いでいるビジョンが
浮かんできました。
「なるほど」
早速、作って飲んでみたら、
「美味しいー」
なんとも言えない幸せ感に包まれました。
そう言えば、子どもの頃、
よく「鰹節削り」を手伝っていた
ということを思いだし、
「そうだ! 鰹節削り器を買おう」
ネットで探すのがまた楽しい。
あれこれ見比べて、
「これだ!」
ピンとくるものに出合ったので、即注文。
「楽しみだなー。いつ届くかなー。」
わくわくしながら待っていたら、
思いのほか早く届きました。
大喜びで箱から出したのですが、
「美しいー」
鰹削り器が
あまりにも優しくて、美しくて、
思わずうっとり。
職人さんの、丁寧な仕事に
とても感動しました。
「あー、本当に買ってよかった」
満たされた氣持ちでいっぱいになりながら、
同封されていた取り扱い書を見たら、
「修理が必要な時はこちらまで」
の案内文に、1,500円と
値段が書いてありましたが、
「初回は無料で承ります」
と。
送り先が書いてある
ゆうパックの送り状 も添えてありました。
なんという心配り。
日本の技術と精神性が、
これからの世界に求められる
と言われていますが、
まさにこれ☆
「ありがとうございます」と、
思わず手を合わせました。
早速、鰹節削り器を使ってみようと
削り出したら、
子どもの頃の記憶が蘇ってきました。
「わたしが削ると、粉になって、ヒラヒラにならない。つまんないなー」
と思いながら削ってたあの頃。
誰に聞くこともなく、
ただ義務感で削っていた
あの頃のわたしに教えてあげたい。
「削る向き、違ってるよー」
興味があることは
とことん研究するけれど、
興味がないことはまったく、、、
鰹節削りは向きが大事と知ったのは、
18歳の頃。
ヒラヒラに削れた時は嬉しくて。
食物専攻だったので、
食品の実験も多くて、
旨味と旨味をたすとかけ算で広がり、
複雑で奥深い味わいになると学び、
美味しい料理は、
いかにうまく化学反応を起こすかが
ポイントだと知りました。
鰹節だけより、昆布を一緒に使うと、
味の相乗効果は、7倍に。
干し椎茸も加えるとそれ以上になる
というのも驚きでした。
まさに魔法。
料理によって合う出汁は違いますが、
イノシン酸、グルタミン酸、グアニル酸の
ハーモニーが美しい。
切り干し大根のもどし汁や、
野菜のゆで汁(灰汁なしの)も
いい仕事をしてくれます。
椎茸やトマトは、
生の状態ではグルタミン酸ですが、
干すとグアニル酸もプラスされて
美味しくなるだけでなく、
ビタミンDなども増えて
栄養価も高くなります。
まさに今、世界に必要な栄養素。
自分で作った乾燥野菜と
味噌を合わせて置いておくと
簡単に、めちゃくちゃ美味しい味噌汁が
作れます。
その味噌を、
鰹節と昆布と一緒に
マグカップに入れて
お湯を注ぐだけで
お手軽味噌汁の出来上がり。
お茶を入れるように、氣楽に作れます。
インスタント味噌汁だけど、栄養満点。
最近、マグネシウムが足りない
と感じている方が多いようで、
「何を食べればいいですか?」
とよく聞かれます。
栄養は、単体では吸収されにくいし、
体内での働きも、腸内環境など、
状況によって違います。
一日に必要なマグネシウム量は、
350mgくらいですが、
他のミネラルやビタミンが少ないと
充分な働きはできないので、量は目安。
「美味しいー、楽しいー、幸せー」
と笑顔で感謝しながら、
よく噛んで味わって。
「これで、足りない栄養素も創り出せるー」
くらいの氣持ちで楽しむのが、
おすすめです。
鰹節1gに入っているマグネシウムの量は0.7mg。
わたしは、200ccくらいのお湯に
5gくらいの鰹節を入れます。
(鰹節パックも1袋5〜6gですね。)
細切り昆布も少々入れて、
鰹節も昆布も具として食べています。
乾燥野菜や高野豆腐・お麩・ワカメ・
納豆なども時には入れて。
ご飯は、豆や雑穀を入れて炊くと
美味しくて、マグネシウム量もアップ。
出汁は、素晴らしいサプリメント。
心も身体も満たされます。
伝統的な食文化を大切にしながら、
知恵とヒラメキでさらに楽しく健康に。
まさに 出汁は、
人生をよくするだし です☆
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