「 賊塞の祝祭 」 煙草は唯の害悪と云うが 悪を悪としか映せぬなら 毒もただ罪と罰の生産物 唯一つの眼鏡しか持たぬ それ以外は全て悪と評す その眼鏡が剥奪する微酔 嗜みの粋も貫禄も哀歓も 君の清さには讃歌を贈る セヴンスターを握り締め 夜の歓楽街で酒瓶を割る 其れは宛ら往年の名男優 特別な夜には葉巻を咥え 攻めを崩さず勝ちを抜き 短かい望みをモノにした 古い男が重ねた生の歴史 時代の趨勢を生で見た瞳 君が世に生を受けた日を わたしだけは覚えている