エーゲ海を渡る花たち(3) (メテオCOMICS)

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百合度:
●●●●●●●●●○
人物:
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
内容:
■■■■■■■■■□
総合評価:
★★★★★★★★★☆

中世、15世紀の地中海をそれぞれの目的の為に一緒に旅をすることになる、リーザ(表紙左)とオリハ(表紙右)が話の中心の作品。世界に興味を持っていて旅をしたいと思っていたリーザが、妹を探して旅をしていたオリハと出会うことで2人の物語が始まります。

派手すぎないキャラクターと、綺麗に書き込まれた服や背景が魅力的な作品で、当初は見た目に期待して購入した本で、百合にはあまり期待していなかったのですが、個人的には百合要素も結構満足に終わった作品でした。

3巻でオリハの妹がこれまで以上に危険な場所に居ると分かり、そこへ行こうという前の夜。オリハが「それでも(危険でも)、最後まで一緒にいてほしい」とリーザに抱きつき、リーザも抱きしめ返すシーンがあります。指を絡めて手を繋ぐ(恋人繋ぎの)絵と、引きで月と共に2人の姿を写す演出もありました。人生かけてオリハに同行したリーザと、困難を共に乗り越えたいと考えるオリハの2人の間に何も無かったとは思えません。

一時的に離れ離れになってしまう2人ですが、最後にはひとつ屋根の下に拠点を構え、旅にも出られる自由を得ています。再会の時、転びそうになったリーザをオリハが支えた瞬間、不意に顔が近づいて2人が頬を染めるシーンが良かったですね。

旅に途中から同行していた2人より幼かった少女が好意を寄せていた男性と結婚する、という話が出ていることから、逆にそれより歳の多いリーザとオリハがそういう道を選んでいないことも想像出来ると思います。ハッキリとした描写はないのですが、百合を好きな人がそれらの要素を見れば私と同じように感じるのではないかと思います。

あとがきで「エーゲ海は渡れました」と書いてあるので、北の方へ行く次の旅の物語が始まってくれると嬉しいですね。

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ユニコーンと寂しがりや少女 (1) (電撃コミックスNEXT)

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百合度:
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人物:
◆◆◆◆◆◆◇◇◇◇
内容:
■■■■■□□□□□
総合評価:
★★★★★☆☆☆☆☆

寮生活でホームシックになった主人公の若月若菜が、魔導書にかかれていた召喚魔法の魔法陣を描いてみたら、ユニコーンのユニが呼び出される、という始まり。

作品全体に百合っぽさはあるのですが、かなりコメディよりの内容で、1巻はかなりライトな表現。ユニが若菜を好きなのも、召喚されたから・処女だから、という理由が強く、若菜側からは他に親しい友人もいないという程度の理由。

ここから2人の気持ちが本物になっていくか、スキンシップが過激になっていくか、又はその両方を期待したいところですが、これまでの経験的には難しいかなと思っています。

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やがて君になる(8) (電撃コミックスNEXT)

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百合度:
●●●●●●●○○○
人物:
◆◆◆◆◆◆◇◇◇◇
内容:
■■■■□□□□□□
総合評価:
★★★★★☆☆☆☆☆

美術館や博物館が好きな作者が描いた、名画のようなシーンが登場する百合漫画の短編を集めた作品。名画が登場するのはあくまで作者の好みのようで、作品にそれが必要不可欠かと言われると微妙なところ。

1つ1つの百合的な要素はしっかりしているのですが、大抵はどこかで見たことのある設定が多め。そんな中でも私的に面白いと思ったのが8話の「マドンナ」。

大切な友人を好きになり欲情してしまう自分に後ろめたさを感じ、友情を守るために他の女性に欲のはけ口を求めた主人公が出会ったのが、所謂クレイジーサイコレズタイプの人物。初めは良さそうな人を演じていたその女性に体を許したが最後、主人公自身が言葉と性技で落とされるだけでなく、主人公の目の前で好きな友人まで犯されてしまう、という結末。両思いだったのに素直になれなかったせいでそうなってしまう2人の話や、その後にどうなっていくのかを、もうちょっとじっくり読んでみたいと思いましたね。

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やがて君になる(8) (電撃コミックスNEXT)

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百合度:
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人物:
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
内容:
■■■■■■■■■■
総合評価:
★★★★★★★★★★

恋愛がわからない2人の女子高生が、お互いに惹かれ合い結ばれるまでの物語。

これはもう文句のつけようがないぐらいに完璧な百合漫画でした。精神面の表現はもちろん、最後にちゃんと朝チュンまでありました。もちろん2人の物語はこの先も続いていくわけですが、もっと続けば・・・とは思わなかったんですよね。決して見たくないという意味ではなく、1つの作品としてキチンと終わっていて、内容もしっかり詰まっているからだと思います。読み終わった時に気分がスッキリするんですよね。沙弥香に彼女が出来ていることも理由としては大きいかもしれませんが。

結局、侑と燈子が恋する気持ちが分からなかったのって、本質的に同性愛者なのに、恋愛といえば異性とっていう固定観念に捕らわれていたから、ということで良いのでしょうか。お互いの気持ちが通じ合ってから肉欲を自覚するまで結構早いですし、所謂「貴女だから好き」は沙弥香の彼女の話が否定してくれているんですよね。

小説版も買ってみようかな。

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魔法少女にあこがれて 1 (バンブー・コミックス)

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百合度:
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人物:
◆◆◆◆◆◆◆◇◇◇
内容:
■■■■■■■■■□
総合評価:
★★★★★★★★☆☆

魔法少女がいる世界で魔法少女に憧れる柊うてなが主人公。ある日マスコット的なものに話しかけれ、自分も魔法少女に・・・と思ったら、変身したのは悪の組織の女幹部だった、という始まり。ちなみに世界観的には、まどかマギカよりもプリキュアに近いですね。

言われるがままに魔物を呼び出し、魔法少女たちを縛り上げ鞭で叩いているうちに、うてなのサディストな本性が明らかになります。うてなは魔法少女自体に憧れていたのではなく、魔法少女が戦いの中で傷つく姿に興奮していたようです。

その後も、うてなは様々な責めを行っていくのですが、魔法少女の1人をMに目覚めさせてしまったり、喧嘩を売ってきた仲間を返り討ちにしたら好かれてしまったりと、百合的に面白そうな展開も期待できそうです。

性癖を扱った作品自体珍しいので、そういう点からも次巻が楽しみです。

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