奥慶一という名前を聞いてピンときたひとは、ドラマやアニメの制作クレジットをよく見ているひとか、もしくは史上最強のブラスロックバンド・スペクトラムを知っているひとのどちらかになるだろうか。


奥慶一は、1955年滋賀県生まれ。東京藝術大学、同大学院では作曲科を専攻。



ちなみに大学卒業時に作曲した「"Illumination" pour orchestre」は大学買上げという栄誉にあずかる。


大学院在籍時にスタジオワークを開始、しばらくして、先述したスペクトラムに加入、解散までの約二年間で6枚のアルバムを発表する。



スペクトラムと言えば、新田一郎を始め、皆がソロで独り立ちできるほどの有能なミュージシャンの集まりであったわけだが、勿論奥慶一もソロアルバムを発表する機会に恵まれる。


それが今回取り上げたファーストアルバム「Misty morning」、セカンドアルバム「The good bad girl」の二枚のアルバムになるのだが、これがまたとても素晴らしい完成度で度肝を抜かれる。



二枚とも、奥の卓越したキーボードワークが冴え渡る、スリリングかつリリカルなメロディが踊るフュージョン作品であるのだが、それぞれ微妙に雰囲気が異なるのが面白い。


ファーストはスペクトラム・ホーンセクションを起用したのも手伝ってか、ポップでどことなくスペクトラム臭が漂う作品。


セカンドは、ジャズ系ミュージシャンを全面に出し、より奥慶一のやりたいことを素直に表現した、ファーストよりジャジーな仕上がり。


とはいえ、そこは天才、どんなに複雑で長尺であろうとも、耳に馴染みやすい良質なメロディ、さらにアレンジの巧みさで、リスナーを飽きさせないのはさすが!の一言。
これを当時25才の若者が作り上げたとは脱帽だし、未だにその衝撃、完成度は色褪せない。



この後、彼は数多くのアーティストのレコーディング、アレンジで参加しながら、「17才」「おジャ魔女どれみ」等々ドラマやアニメのサントラを数多く手がけ、今なお活躍中。


今年の春に放映された、牛木義隆原作のTBS系アニメ「夢喰いメリー」の音楽担当が直近のお仕事になる。



『MISTY MORNING』


http://youtube.com/watch?gl=JP&hl=ja&client=mv-google&v=uet7IWCxUCw