【2015.07.07 ターレス様命日】 ロブラブ 第四話 | ベジータをかわいがり隊

ベジータをかわいがり隊

ギニュー特選隊の赤いマグマ ジースの名言より命名。

ベジータ様大好きな変態が
崇めたり「いためつけてヤったり」好き放題しています。
鍵は掛けていませんが全体的に閲覧注意です。

惑星ファースで出逢った二人。
ターレスはベジータを抱いた。

<ロブラブ 其之四>

滝へ着いた。
男の欲を清めるため冷たい水で体を洗う。
その時、ベジータは自分の体の様子がいつもと違うことに気付く。

(普段、やられた後は大概体中痣だらけ
 …第一自力では動けたためしなどない。
 意識があればいい方で、気づいたらメディカルマシーンの中なんてことも珍しくはない。
 
 にも関わらず今回は痛みも傷もない…… どういうことだ?)


全く痛みを感じないことに疑問を抱きつつ身体を清めたが
結局、星を出るまで答えはわからず仕舞いだった。


その後、フリーザ軍に戻りまた遠征へ出かける。
ただひたすら殺戮と破壊を繰り返す。

だがあの日以来、ベジータの心には
いつもあの男、ターレスが棲み付いている。
少しでも気を抜くとあの日のことが頭に浮かぶ。

なにかが引っかかったようなすっきりしない不快感
脳裏に浮かぶのはターレスの姿
あの男を思い出すたび胸が締め付けられる、苦しい…

「何だってんだ クソッタレ…」

毎日胸の痛みが苦しくて、ベジータの機嫌の悪さは最高潮に達していた。
大概遠征に行くと、帰りに無関係の星を九つほど破壊してから帰還する。
そんな日々が続いていた。


今日もまた遠征だ。

「惑星セカか… ちっ あの近くにはろくに星がありゃしねぇ」


文句を言いつつもアタックボールに乗りこみ惑星セカへと向かう。


日が暮れる少し前に目的の星へと到着したベジータは
早速辺り一帯を吹き飛ばし、一瞬で星の半分ほどが壊滅した。

「さっさと終わらせて 少し遠くまで星を探しに行くか…」


そういって飛び立とうとした瞬間、ベジータの目の前に小さな巾着袋が現れた。
その袋を持つ者の姿を確かめようとベジータは振り返る。

と、そこには見覚えのある男の姿があった。

「タ ターレス……!!!!!」

浅黒い肌、無造作な髪、間違いなくあの時の男だ。

「王子が一下級戦士の名前を覚えてくれたのか 光栄だな」


ベジータの胸の鼓動が高鳴る。
ターレスが現れたことがうれしい、そう感じた自分がいることに気付いた。
それとともに王子である自分が下級戦士の名を覚えてたことで
ターレスにこの想いを感づかれはしないかと不安になる。

「お オレは優秀なんだ 一度聞いたことは忘れん…」

…なんだ オレの身体が恋しくなったのか?
そういってやろうかと思ったが、
もしも拒否されたら… そう思うとどうしてもその言葉が声にならない。

何か言わなければ… そう思い言葉を探すベジータにターレスが話しかける。

「この前はすまなかったな 王子があんまりにも綺麗だったからつい…
 …大した詫びはできねえけど これ受け取ってくれよ」


そういうとターレスは先ほどの巾着袋をベジータに渡す。
その中には十数個の宝石のようなものが入っていた。

「…食用貴石 か?」


食用貴石というのはこの世で最も高価な食材といわれる甘味のことだ。
古代から人を魅了してきた貴石たちのような美しい輝きを誇り
もぎたての果実のようにみずみずしく後味のいい甘さ。
数グラムの粉末でさえアタックボール数台分程度の価値はある。
ベジータの好物でもあったが、星の王子であるベジータでも
欠片を数回食べたことがある程度だ。それほどに希少価値が高い。

だが目の前の巾着には、その食用貴石の中でも
最も高級とされる食用ダイヤモンド、それも超が付くほどの大粒ばかりだ。
なぜ下級戦士がこんなものを持っているのか不思議でならなかったが
それ以上に大好きな食用ダイヤモンドがたくさん手に入ったことがうれしく、笑みがこぼれる。


「気に入ってもらえたみたいだな」

ターレスのその言葉に、
今まで誰も見たことがないような微笑みで返事をした。

そしてベジータは、食用ダイヤモンドのお陰で
ようやく先ほどの言葉を口にすることができた。

「ずいぶんご大層なプレゼントだな …オレの身体が恋しくなったか?」


頼む 頼むからこのままこのダイヤモンドより甘い夢を見させてくれ…
そんなことを思いながら恐る恐るターレスの様子をうかがう。

ターレスが口を開く。

「おいおい そんなつもりじゃあねえ。
 あの時は本当に悪かったと思ってるんだぜ」


本当はもう押し倒してしまいたいところだが
なんとか理性を保ちターレスは平静を装う。

「なあ王子 一緒に飯にしねえか?」

誘いを交わされショックだったベジータだが
ターレスのそばにいられるのなら食事でもいいか、と思い一緒に食事をとることにした。

ターレスが食事を用意する間にベジータは
プロテクターとブーツ、手袋を脱ぎ、手足の裾をまくる。

しばらくすると食事の用意ができ、二人で食事を始める。

「王子 随分と薄着じゃねえか 風邪ひくぜ」

「あ …暑いんだ!!」

「ターレスをその気にさせるため」とは口が裂けても言えないため、適当に返事をする。
しかし只今の気温は5度前後、暑いはずがない。

もちろんターレスもそれに気づいている…
…というよりすべて計算済みではあるがあえて気づかないふりをする。

食事が終わり、身体を清め、二人は野原に寝そべる。

さっき食事のとき、ターレスは明日の朝ここを経つといっていた。
今を逃したらもうチャンスはない。
ベジータは意を決し、0度を下回る寒さの中また「暑い」といって上を脱ぐ。

野原で寝そべっていたターレスが、ようやく時が来た… 
といわんばかりにベジータへアプローチをかける。

「王子 暑いかもしれねえが服着てくれよ…
 …そんなに色っぽい格好をされちゃあオレの理性が持たねえ」

ターレスの思惑通りにベジータが返事をする。


「…ならば理性など捨てればいい」



この言葉を皮切りに、二人の熱い夜が始まる。

唇を重ね、深いキスで愛を確かめ合うとターレスは
首筋、鎖骨… ベジータの体中に鬱血の後を残す

「んぁっ… た ぁれすっ …んんっ そんなとこじゃっ …見えちまうだろぉ…」


あまりにもターレスが目立つところにばかりキスするものだから
キスがうれしい反面、後のことが不安になるベジータ。

「見えちゃぁ都合が悪いのか?」


いいわけないだろ、と言いたいところであったが
止めても無駄であることは明白であり、
何よりターレスに愛された証が身体に刻まれることは悪い気分ではない。
後のことは諦めてターレスに身を委ねることにした。


「んぁっ… うぅ…  あぁっ… あんああっ!!」


短いようで長い2か月、ずっと想い続けていた。
ようやく自分の本当の想いに気付き愛しい人を傍で感じることができる
幸せを噛みしめながらターレスの愛を全身で受け止めるベジータ。

「いくぜ… しっかり受け止めろよ」

そしてターレスは己の愛をベジータに注ぐ。
ターレスもまた、生まれて初めて自分の腕の中に抱かれる人を愛しいと感じた。
手段以外で初めて人を愛した気がした。


長く短い冬の一日、二人の熱い夜は夜明けまで続く…