大学時代を過ごした1975年~79年にかけて関西地区のミュージック・シーンはブルース、ソウルがめちゃくちゃ熱かった。

ブルースはウエスト・ロード・ブルース・バンド、憂歌団、ブルース・ハウス・ブルース・バンド、ブレイクダウン、ファッツ・ボトル・ブルース・バンドなど。


ソウル系では上田正樹ととSouth To South、ソーバッド・レヴュー、スターキング・デリシャス、ファンキー・チキン・パートⅡなどがその代表格だった。


ブルースは高校の頃からギターのお手本として多少聴いていたけど、ソウル・ミュージックはオーティス・レディング、サム&デイヴ程度しか知らなくてそれ以外は大学に入ってから関西系ソウル・バンドの影響で耳にするようになった。


とは言えいわゆる名盤と言われるものやLiveで演奏されていた曲の元歌を聴きかじった程度で体系的に深く掘り下げる事は無く、メインで聴いていたのはやはりアメリカのロックが中心だった。


その頃に好きだったアルバムが1973年にアン・ピーブルズがハイ・レコードからリリースした4thアルバム

「I Can't Stand The Rain」。

Blues Power


アン・ピーブルズの横顔のジャケットが印象的なこのアルバムにはあまりにも有名なタイトル曲I Can't Stand The Rainの他、珠玉のソウル・ナンバーが全10曲収録されている。


プロデュースはウィリー・ミッチェル、ホッジス3兄弟、ハワード・グリムスによるハイ・リズム・セクションとメンフィス・ホーンががっちりとバックを固めている。


Produced By Willie Mitchell


Ann Peebles(vo)

Mabon "Teenie" Hodges(g)

Charles E. Jr. Hodges(key)

Leroy Hodges(b)

Howard Grimes(dr)


<Memphis Horn>

Wayne Jackson(tp)

Archie Turner(key)

James Mitchell(sax)

Andrew Love(sax)

Ed Logan(sax)

Jack Hale(trombone)


このアルバムでのアン・ピーブルズはミディアム~スロー・バラードが中心な事もあってシャウトはほとんど使わずに、やや抑え気味ながらも情感豊かな心に染み入るヴォーカルを聴かせてくれている。


実は全曲紹介したいぐらいなんだけど全曲3分未満なのでよかったら今日は3曲紹介しちゃいます。


やはりこの曲はどうしてもはずせないA面1曲目のI Can't Stand The Rain


ティナ・ターナの他沢山のアーティストがカヴァーしているアン・ピーブルズの代表曲だが実はハンブル・パイの

ヴァージョンが個人的にはけっこう好きだったりする。


イントロのパーカッションのような弦楽器のようなSEは何の音だろう?


ハイ・リズム・セクション独特のズンズンチャッチャッって引きずるようなビート感覚をバックに歌うアン・ピーブルズのビター&スィートなヴォーカルがたまらんです。


続いてB面1曲目のIf We Can't Trust Each Other


ポップなメロディ・ラインのミディアム・ナンバーで、個人的にはオーティス・クレイのTrying To Live My Life Without Youにも通じるこの曲のリズム・パターンがすごく心地良くて大好きだ。


2コーラス目の頭(1分17秒くらい)のリズムが実は正しくリズムを刻んでいるんだけど微妙な違和感を感じるのは僕だけ?


最後にB面2曲目のLove Vibration


ミディアム・スローのラヴ・バラードをしっとりと歌うアン・ピーブルズのヴォーカルにただただ聴き惚れるとしか

言葉がみつからない。


メンフィス・ホーン、ストリングス、分厚いバック・コーラスのアンサンブルも絶妙。


まだまだ紹介したい曲ばかりだけど、前作の3rdアルバム「Straight From The Herat」のファンキーでパワフルなサウンドも大好きなのでこちらもいずれ紹介したいと思う。


I Can’t Stand the Rain/Ann Peebles

1. I Can't Stand the Rain
2. Do I Need You
3. Until You Came into My Life
4. (You Keep Me) Hangin' On
5. Run, Run, Run
6. If We Can't Trust Each Other
7. Love Vibration
8. You Got to Feed the Fire
9. I'm Gonna Tear Your Playhouse Down
10. One Way Street

I Can't Stand the Rain、 If We Can't Trust Each Other、Love Vibrationの試聴はこちらヘッドフォン