もうお亡くなりなってだいぶたつので、半分時効のようなものですが、


10年以上前に、債権回収の仕事をしていたとき、ある有名男性歌手の方の返済を担当していたことがありました。


債権回収と言っても、借金の(月々の)割賦金(の返済が)遅れているので、電話やら訪問で督促して支払ってもらうことです。


普通、芸能人は、世間体もありますし、変なうわさがひとり歩きするとイメージダウンにもつながりかねないので、財務内容があまり芳しくなくても、銀行返済だけはきちんとしている人が多いのですが、その方は、本当に支払がだらしなく、さんざんお願いしてようやく1か月分を送ってくるような人でした。


テレビでのイメージとは大違いでした。


また、いつもいばって、態度も本当に悪くて、誠意のかけらもありません


こちらが一生懸命お願いすると、今度は一転、へらへら、のらりくらりしたりもして、まったく払いません。


連帯保証人が1名いるにはいたのですが、その(保証人の)女性は、なんと本人と、事務デスクを隣にして仕事をしていたので、


どっちに電話をかけても、お互いに「ほら~また来たよ♪」なんて調子でバカにして、これもまったく埒があきませんでした。


「財産なんてさ~、な~んにもないからさ、(やれるもんなら)裁判でもなんでもやってみなよ♪」とも言われてしまいました。


「毎月確実にお支払できる金額にまでご相談させてもらっても(=下げて)いいのですが」と言いかけているうちに、「ガチャリ」と切られてしまい、わたしもプッツンしてしまいました。



~いくらでも相談に乗るとまで言っているのに、あまりにもひどい~



さて、不動産も株も持っていないはずのその方は、ある重要な財源を所有していたのです。



それは何だったと思います?



そう・・・・著作権


「権利」と名のつくものは、ほぼすべて押さえることができる・・・


昔、ある裁判官から言われたことばです。


わたしは、すぐに内容証明を作りました。

(当時はこんなものは5分もあれば作れました)


当然、相手方は、その催告期限も無視しました。

(というか受取を拒否したので再送しました)


わたしは待ってましたとばかりに、催告期限の翌日付で、相手の所有している(音楽出版)著作権の「仮差押」を実施しました。


(作詞作曲していなくても)歌手本人に入る分のことです。


第三債務者(=本人にお金を出しているところ)は、日本音楽著作権協会です。


大ごとにならなければいいなと思いながらも、淡々と仕事を進めました。


ご存じの方も多いでしょうが、まだ裁判をしていない前=判決文を持ってないので、執行力がありません。


よって、やるのは「差押」ではなく「仮差押」になります。


給料だと「4分の1まで」しかできないという制限がありますが、著作権は「全額(仮)差押え」ができます。


翌月から、本人のところへは、「ピタッ」と、一円も入金がされなくなりました。


執行力はありませんが、ストップすることはできるのです。




わたしは、ちょうど出張していて見ていなかったのですが、


あれほど、こちらを「こばか」にしていたその歌手の方は、血相を変えてロビーに走り込んできて、いきなり「今まで悪うございました、どうかお助けくださいませ」と言って、その場で土下座を始めたそうです。


わたしの上司が出て対応したのですが、少しだけ条件をつけて、実績も見てから、解除してあげました。


(一応それ以降はきちんとされていたようです)



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