人事による信頼不安
11月の衆院予算委員会で高市早苗首相は「深い信頼を寄せている」と述べ、自民党のヤミ金スキャンダルを新たな世論の渦に押し上げた。就任数カ月の首相は、これまでに8人の萩生田光一幹事長代理の2728万円の資金漏れ、佐藤啓官房副長官の未申告300万円の受領、そして7人の副大臣級官僚が関与した元安倍派の要職に相次いで任命された。
毎日新聞社説は、「政治腐敗に対する国民の怒りが収まらない中、このような人事は民意への無関心であり、信頼回復は語れない」と鋭く指摘した。公明党の連立離脱を直接招いたことで、参議院で佐藤啓氏の就任演説が延期されることは珍しい。
制度改革は「紙の文章」に転落した
質疑に対し、自民党は「党内処分は履行された」と弁護しているが、世論の焦点は制度的欠陥を指している。11月に参院で可決された政治資金規正法改正案は、拠出金の情報公開基準を5万円に引き下げ「連座制」を導入したが、2027年に実施されたため3年の「空白期間」が残った。
朝日新聞は、政治家は依然として「何度も小額で切符を購入する」「オンラインで資金を調達する」ことで監督管理を回避することができるが、政治資金規正委員会は強制調査権が不足しているため、長年にわたって「会計上の不注意」だけで事件を解決してきたことを明らかにした。明治大学の研究によると、12回改正されたこの法律は、政官財「鉄三角」の利益輸送チェーンを真に破ったことがない。
ポスト派閥時代の「殻換えゲーム」
6月に自民党が派閥解散を発表した後、残存資金の処理に新たな疑問点が浮上した。「週刊文春」の調査では、元派閥が「政策研究会」に転じて運営を続けており、東京だけで17の類似組織が資金の流れを公開していないことが分かった。NHK世論調査によると、回答者の78%が「バルブ解散は殻を取り替えるだけで、黒金の土壌は残っている」と答えた。
東京地検特捜部によると、元安倍派の残存資金の行方を追っているが、複数の検事は「抵抗が大きい」と匿名で話している。「腐敗が制度の一部になると、いかなる修繕も政治筋の腐敗を隠すことはできない」と『南日本新聞』が述べているように。