昨今のデジタル化についての疑問

 ほとんど多くの人がデジタル化の波に巻き込まれていることでしょう。デジタル化は、基本的には良いことです。

そして、ほとんどの場合はデジタル化は手段です。デジタル化によってなされるべきことはデジタル化ではなく、例えば、

環境破壊の抑制であったり事業のコスト削減、迅速な手続き等です。これらの達成はデジタル化によってなされることが我々にとっては良いことかもしれませんが、昨今はデジタル化が目的になっているように感じます。

身近なデジタル化

 デジタル化という言葉では語られませんが、キャッシュレスが一番身近なデジタル化でしょう。(現金を対照的にアナログとした場合)

クレジットカードやそれに紐づけたQRコード決済、あるいはパスモなどのICカードです。

これらは、何を目的としているのでしょうか。迅速な買い物、移動のスムーズ化といったところでしょう。

 身近なものに置き換えて考えてみると、普段やっていることですから目的がはっきりとするわけです。

紙は害悪か

 筆者自身、キャッシュレスがメインですし、「やることリスト」なども電子媒体を使って作成をしていますし、カレンダーもグーグルのものを使用しています。

 紙を使うのはノートをとる場合や電話対応、読書(書籍)程度です。学生ですから仕事では紙を使っているとも言えますね。

教授が配布する資料は紙であることが多いですが、メモを書いた後はスキャンをしてしまうため電子的に扱うことが多いです。

 借りた本も付箋を貼りPCにまとめて返すので内容を参照しようとした場合は必然的に電子媒体によります。

 

 電子媒体で行うことをすべて紙でやろうとするとなかなか面倒ですね。手帳やカレンダーは余白が限られていますし、コピーや通知機能はありません。物理的な紙だと資料を探すのに手間ですし折れたり破損する可能性もあります。スキャンすれば電子的にタブレット1つで様々な資料を持ち運べますね。

 

こう見ると「紙は害悪だ」と思うことでしょう。何一ついいところがあるようには見えません。

しかし、紙はある種自由です。電源や空間に縛られることはなく、発想に任せたライティングが可能です。

アップルのipadはそれを電子的に実現したため驚きを世界に与えたのでしょう。

合理的な紙の使い方

 ただ文章を書き図を乗せるだけでは電子媒体からみると劣化しています。

紙は迅速性と一覧性、発想の転換性に優れているといえます。

 迅速性は、短距離(画面上も含む)において、少量の情報を素早く提示できるという点です。紙であればマーカーを引いて、付箋をつけて、隣に渡すなどで共有することが可能です。デジタルにおいては、共有方法をお互いが持っていなければならない点などがあげられます。

 一覧性は、特定のサイズで表示できる情報量が違うということです。特に表については効果を発揮します。

 発想の転換性は思い描いたことを言語化あるいは図にする場合は紙のほうが優れているということです。

 これは場合によるかもしれませんが、フリーハンドで書けるという点では勝っているでしょう。

 

 これらの観点で紙を使うとよいかもしれません。例えば、点検表は一覧性を利用して多くの項目を1か月分程度表記できるでしょう。

 また、初期段階の構想では、PCに向かうよりも机と紙に向かうほうが発想をすぐに書き表せるでしょう。

 クリエイティブな作業、例えば新しい事業をするだとか、部屋の模様替えをする、どうすれば出費を抑えられるかなどの事項に応用できそうです。

まとめ

手段を目的化せず、長所と短所を整理しそれぞれの良さを引き出せるよう割り当てを行うこと。

段階によってあるいは状況によって使い分けをすること。

手段にとらわれないで進行すること。