こんにちは、シッキーです。
さて、年末年始を挟んでずいぶんと間が空いてしまいましたが、「電子タバコは安全か?」シリーズがまだ完結しておりませんので、今回、最終話となる「E-Juiceの正体」についてお話ししようと思います。
バックナンバー
・電子タバコは安全か?1~はじめに~
・電子タバコは安全か?2~これがニコチンです~
「実際リキッドって何でできてるの?」
「体に害はないの?」
「あの水蒸気の正体は何なの?」
──という不安や疑問を抱いている方もいるかと思います。
リキッドの主成分はプロピレングリコールとグリセリン、そして香料です。
「プロピレングリコールって何?」と一般の方は思うでしょうが、これは保湿や艶出し、乳化などの目的で、医薬品や化粧品、食品などで幅広く使われています。人体への毒性が低く汎用性が高いため、実に様々な分野で活躍している有機化合物です。プロピレングリコールの摂取を避けて生活するのは困難と言っても過言ではないでしょう。
写真はプロピレングリコールです。
やや粘度のある透明状の液体で、ほんの少し薬品っぽい香りがします。
一方、グリセリンも保湿や艶出し、甘味料等の食品添加物として多用されます。Vapeは、粘度の高いプロピレングリコールとグリセリンを過熱して蒸気化することにより使用します。ここに香料が加わることで、メーカー各種の個性豊かな味と香りが再現されるのです。
下の写真はグリセリン。写真ではわかりにくいと思いますが、プロピレングリコールよりも粘度が高く、ハチミツよりももう少しサラサラにしたくらい。ほぼ無臭に近く、舐めると甘い味がします。
これらの物質の安全性はこれまでの実績から保証されていますが、実際に気化させて吸引し続けることで人体にどのような影響を及ぼすのかというのは不透明なところ。ある機関によると「タバコよりも有害である」との報告もありますが、検証方法に問題があったり、対象商品がそもそも疑問を呈するような粗末なものであったりといったことから、いまいち信憑性に欠けるところです。
個人的には、グリセリンやプロピレングリコールはほとんど無害にも近いくらい安全性の高いものであり、急性疾患はもちろんのこと、慢性疾患についても多くが語られないのは、少女のベッドをカーテンで囲うのとは訳が違い、そもそも語る必要もないほどに危険性の低いものだからだと考えています。
一方、Vape用のリキッド吸引が原因で、急性呼吸器疾患(急性過敏性肺炎)を患ったというケースもあります。症状としては咳や寒気、発熱、低酸素血症等です。原因はプロピレングリコールやグリセリンなどではなく、香料に含まれるジアセチルという物質。
当該物質を使用する工場労働者に、閉塞性細気管支炎の症状が多く見られるとのことで、いわゆるポップコーン肺を誘発させる物質として知られるようになりましたが、現状、日本国内において食品などにも使われており、この物質に対する規制の動きはありません。 ※ただし、VapeSickで調査してみたところ、ジアセチルを個人で入手するのは困難な様子。
また、かつて甘味料としてワインに混入されて問題になったジエチレングリコールも、プロピレングリコールとよく似た性質を持っています。ただしジエチレングリコールはプロピレングリコールと違い毒性が高く、工業用として使用される前提のものであり食用に使われることはまずありません。
エチレングリコール(否ジエチレングリコール)も同様に、人体へのリスクから食品等に使われず、もっぱら不凍液や溶剤として使用されます。
※向かって左がプロピレングリコール、右がエチレングリコールです。 写真だけでは分かりにくいかもしれませんが、外見や香り、形状ともにこの二つはよく似ています。しかし、健康に対する影響力には雲泥の差があると思った方がいいでしょう。エチレングリコール、ジエチレングリコールをプロピレングリコールと間違って使用しないよう気をつけてください。
ちなみに、市場価格としてはプロピレングリコールよりもエチレングリコールの方が安価で、入手性も高い傾向があります。場合によっては価格に倍ほどの開きがありますから、良心を欠いたメーカーが「どうせバレやしないだろう」と、コストダウンを図ってエチレングリコールを使用する──なんてことが起こらないとは限りません。それこそかつてのワイン事件のように。ですからやはり、どこの馬の骨かも分からないようなリキッドは使用したくないと、僕は個人的に思います。
いずれにせよ、これらの物質の中には即効性があるほど有害なものはありませんが、神経質になったらなったで切りがありません。
僕自身は消費者としても開発者としても常に神経質であるべきだと思っていますが、Vapeが抱えるすべての問題点を現状で把握するのは困難だとも感じています。一消費者として、VapeSickで検証したこと等は積極的に発信していき、みなさんと情報を共有できればと思います。