香港のペニンシュラホテルの売り物は、ロールス・ロイスでの送迎サービスが有る。
ビバリーヒルズのザ・
ペニンシュラにも同様なサービスが有る。
ただしファントムではなく、コンバーチブルのほうだ。
カリフォルニアの太陽を浴びるのにぴったしなのだが・・・。

NY駐在時代のLA出張では、 だいたいがそこが投宿先だった。
別にリクエストをしたわけでもないのだがエージェントが勝手にそこを取ってくれた。
ペンニンシュラなどボクには身分不相応でとてもお尻がむず痒くなって落ち着かない。
正直NYに比べたらそんなに高くはないのも当時は事実であった。一時は年に数回のLA出張の定宿になった。

あるときタクシーが待っても待っても来やしない。
それを見ていた支配人が「ミスター・フクシマ、お車を回しますので少々お待ちを」 ときた。
驚いたねぇ。そのお車、まさに車に”お”がつくものだった。
ロールス・ロイス。カリフォルニアの太陽を浴びて一際存在感が増すロールス・ロイス・コンバーチブル。白い帽子を被り両手には白い手袋、白い学生服似の格好のショーファーが、降り一回りしてドアを開けて手招きする。ここに美女が付けば、「007」か「プリティ・ウーマン」のシーンになる。田舎丸出しには恥ずかさこの上ない場面であった。

こっちの格好は、砕け過ぎていて、
見るからにジャップの成金観光客が乗っている絵そのもので、またまた気恥ずかしくなって遠慮しようかと思ったが、後学のために腰高のシートに乗り込んだ。目的地まで約5分がなんとも30分にも思えるくらい長かった。まぁ 丁度交渉事の真っ最中で交渉相手が出向くには、ハイプになった。いわゆる気合と格好がついた。まぁ無論チップも弾んだのは言う までもない。ドライバーに払ったチップの最高額の記録は将来も破られないだろう。たしか20ドル?

で、やっと本題。ペニンシュラでのお気に入りが、パンケーキだ。ハチドリが舞うルーフガーデン http://www.peninsula.com/Beverly_Hills/jp/default.aspx#/Beverly_Hills/jp/Dining/ でのオレンジスプレッドのパンケーキである。あれは、
じつに美味しい。

こぶりなものが6枚。高さにして12、3センチ。色つや良しふっくら感良し、
香り良し。
パンケーキの焼けた匂いは泣いている赤ちゃんも泣き止むくらいいっぺんに空気が変わる魔法の香りがする。6枚なんぞ屁でもない(失礼)。とにかくオレンジの粒がメープルシロップ混じったときの口内調味にほっぺが落ちるぞ。とにかく旨い。
以来小銭があったらパンケーキ屋をやってみたいと思うようになっ
た。

次に旨いのは、
バタークリームをたっぷりつけて食らうロウズホテル・サンタモニカ・ビーチのベルギー・ワッフルである。http://www.loewshotels.com/en/Hotels/Santa-Monica-Beach-Hotel/Dining/Overview.aspx   あれもイケル。ワッフルは、パンケーキに比べてこんがりサクサク感が重要だ。ブルーベリーを添えてときにホイップも加えて朝霧に霞む太平洋を見ながらの朝食は3時間の時差ぼけも薄らぐ。

思うのだが、戦場でパンケーキの焼けた匂いを漂わせたら休戦するかと思える。戦争なんて馬鹿らしくなるくらいいい匂いかと思う。まさに平和の匂い。ピースメーカーだなぁ。

今夜はこの辺で。あぁお腹が減ったなぁ。