親友が大動脈破裂が原因で脳梗塞を起こして死の淵から生還して早2ヶ月半が過ぎた。奥方の報告から少しずつ回復している様子は伺えたが、読み書きの神経系統がまったく機能せず、平仮名すら読み書きできない状態のようだ。

元来おしゃべりな性格で、そのせいか口は日増しに動きだしているらしい。本日許しを得て携帯で会話に挑戦した。向こうの着信にボクの名前が出ても識別する術を知らないワケだが、声を掛けると、直ぐに反応して嬉しい声を出してくれた。弾んでいるのが手にとるように分かる。

覚えているのだ、こっちの声を。奥方からの前情報では、スローでもどかしく思われるかとと言われていたのだが、それが間違いだと思えた。以前と少しも変わらない。おしゃべり性格が言語機能を活性化しているのだろう。少し論理性に難があるが、滑舌はすこぶるエエ。約10分ほど会話をしたが、時計が進むにつれ滑らかに反応して笑い声が聞けたのには、思わず涙腺がだらしなくなった。記憶の中に、ボクの声が残っていたこと、有り難いのは、こっちのほうだ。頑張れとも声を掛けるのも忘れて
電話を切るとき思わず有難うと漏らしてしまうこっちのほうは相変わらずトンマ天狗である。

今夜は、この辺で。
今日はもう寝させていただきます。
では、また。