◎昨夜は深夜TVで「ドクトル・ジバゴ」(前編)を、見てしまった。監督は「戦場に掛ける橋」「アラビアのロレンス」「ライアンの娘」「インドへの道」のイギリスの巨匠ディビッド・リーン。このオーセンティックな大作を見ずにはいらりょうか。


◎この映画、確かに中学生のときに見たことがある。しかし記憶がほとんどない。まず長い。そして寒そうで広大なロシアの雪原と名曲「ラーラのテーマ」とオマー・シャリフの大きなお目目以外に記憶がなかった。その意味では、初めて見る映画だったが、ロシア革命に翻弄される医師夫婦の人生に感情移入してしまった。


◎同時に思い出したのが、チャン・イーモウ監督、コンリー主演の「活きる」。中国革命、戦争、紅衛兵などに蹂躙された中国現代史を描いた大作だが、「ドクトル・ジバゴ」が及ぼしたであろう「名作の味の素」がしみ出ている。


◎そしてもうひとつ、ルキーノ・ヴィスコンティの「山猫」もまた想起された。革命や戦争で引き起こされる退勢の中の人生の姿が痛々しい。まさに映画は、その悲劇を既視感に刺激して愚行や暴走に抑制を掛ける可能性に映画監督を志した頃も思い出したうえ、一気に名作3作を観た思いがして映画好きのハートに火が付いてしばし興奮。


◎来週の後編が楽しみ。それにしても放送時間が、目茶遅い…