「不安定という安定」とか、
「不協和音」みたいな世界観に、ホッとする。

いびつで、落ち着かなくて、からまり合ってて、
それゆえに、全体として破綻がない世界。



 日本の音―世界のなかの日本音楽 (平凡社ライブラリー)/小泉 文夫
  

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学校のテキストです。
日本のいろんな伝統音楽について、書かれております。

惹かれたのは、日本のリズムについて。

基本的には同じ時間の長さで刻まれるべき拍が、日本の場合は伸びたり縮んだりすることが多く、
さらには無視される場合もあるんだそう。

でも、曲全体の中では大きなリズムが感じられるようになっていたりする。
そして、無拍で演奏される部分であっても、その始まりと終わりがズレたりするわけではない。

つまり、枠(型)があって、
その中でのみ、限定されない表現が許されている(と解釈しました)。

ああこれって、この世みたいだ、と思った。
内部は混沌としていて、ちぐはぐで、変化し続けている。
でもそれは、外枠を前提とした完璧な世界。

西洋のリズムが、均質な繰り返しでもって調和とするなら、
日本(だけじゃないと思うけど)のリズムは、不均質なものをひとつに覆って調和とする。

というようなことを、今、レポートで書いています(この科目ツラい)