イスラム教の国。

 

これまでの人生で全く関わりの無かった宗教、イスラム教。

なんとなく知っていることと言えば

神がアッラーで、キリスト教でいう聖書のようなものがコーラン。

一日に何度もお祈りをする、

お酒は飲まない、豚は食べない、

女性は独特の黒いドレス(アバヤ)を纏っている、

という程度でした。

 

コーランに書かれたこれらの決まりに対して

以前の私の感想は、

朝一番(夜明け前)のお祈りは

朝に弱い自分には、つらいだろうなぼけー

お酒も豚も好きなので、禁止されたらつらいな。

アバヤは、良い点(朝、服を選ぶ必要がなくて楽かも!)も

悪い点(飽きないかな?)もあるなー。

総合してイスラム教徒に自分は向かないかな、というものでした。

そもそも日本に居る限り、イスラム教徒を深く知る機会は

なかなかないし、特別な興味も持っていませんでした。

 

ところがUAEに住んでみて、

イスラム教に関する記事を意識して見ていると

とても興味深い宗教のように思えてきました。

さらに言うと、理にかなっているのではないかと感じるようになりましたひらめき電球

 

イスラム教と聞くと、イスラム過激派が真っ先に頭に浮かび

何やら大変そうな国なのでは?と思っている人も多いと思いますが、

そもそもイスラム教の教えはテロ行為や暴力とは無縁のもの、

この国の国民は敬虔なイスラム教徒で、国はとても平和です。

 

先日国内のホテルに泊まりました。

アメリカのホテルにはベッドサイドの引き出しによく聖書が入れられていますが

もしかしてコーランがあるのかな?と引き出しを開けると、ありました!

しかもお祈りに使う敷物まで!

お祈りは一日に5回。

この国の生活はこのコーランの内容に従って成り立っているそうです。

 

今日は私が興味深いと思ったことの一つ、

同性として女性にスポットを当ててみたいと思います。

 

ご存知のことと思いますが、UAEの女性はアバヤという全身黒のドレスを纏っています。

この服装は空港に着いたときから一番印象に残るものでした。

今までにもアジア圏ではスカーフを頭に撒いて髪を隠し

服装は日本人と同じくカジュアル、というモスリム女性をよく見かけましたが

足首まですっぽり体の線を隠しているアバヤ姿の女性はこの国に来て

初めて見ました。

 

このような格好をしなければならない女性は

服装の自由もなく差別されているのかな?

一夫多妻が法律で認められているし、男尊女卑なのかな?

などと思っていましたが、実際、女性は大事にされています。

大事にされているが故の服装がこれなんだそうです。

 

コーランには、女性は宝物だから美しものは隠して守られるべき、

男性は美しいものに弱い、男性を魅了したら男性が良からぬことを考えてしまって

女性を傷つけることになるかもしれない。

そのためにも体の線を見せるべきではないという考え方らしいです。

 

この考え方は西洋社会とは真逆だなぁと感じます。

西洋では女性の服装は胸を強調して男性を魅了するものが多いし、

昔の貴族の肖像画をみても

コルセットでキュキュッとウエストを絞って胸を持ち上げて、

まさに女性の体の線を美しく見せるようなドレスを纏っています。

周りに居る皆を魅了することが、西洋ではより良いこととされいるのかと思います。

 

反対にイスラム教では

宝物である女性は外の世界から守られ、

結婚すると、夫にのみ美しい姿を見せて夫を大いに魅了するべきという考え方だそうです。

多数の男性を魅了する必要はなく、1人だけ(夫)を魅了すればいい、という教えです。

確かに、世の中1人の女性が複数の男性を魅了することで

トラブルが発生しやすくなるような気がしますうーん

 

男性、女性共に婚前自由恋愛はできず、

おそらく、学校も男女別々のこの国では学生時代の恋愛など皆無で、

適齢期になると結婚を前提に、漸く恋愛ができる社会です。

適齢期になるのが待ち遠しいのではないでしょうかラブラブ

友達の家を訪問するにも、男性であれば男性の部屋に通され、

女性とは顔を合わせない家の造りになっているとか。

ガードが徹底しています。

 

そして適齢期になると周りの大人たちからお見合い話が持ち上がる。

日本のひと昔前のお見合い結婚のようですが、

男性も結婚してやっとできた自分だけの妻、

自分だけのために家で着飾る女性を大事にするそうです。

 

余談ですが、外に行くときは気合を入れておしゃれして

家で夫といるときは、どうでもいい部屋着を着てダラーっとしている私。

反省させられますアセアセ

 

そんなわけで、こちらのご夫婦は結婚後お互いを大事にして夫婦仲は円満だそうです。

 

浮気、不倫など日本でよくある夫婦喧嘩の原因も

イスラム教の教えに従っていれば存在しないということになります。

 

また、イスラム教には関係のない話ですが、

この国では通常夫婦喧嘩の原因となりそうなお金の問題や共働きによる家事分担も

ありません。なぜなら、、

オイル経済で潤っているこの国は国民に高賃金を払うことで富を還元しているので

(ほかにも結婚すると家が国からもらえる?と聞いたこともあります。過去の話かもですが)

一世帯の収入は高く、生活は潤っています。

当然のように専業主婦の家庭にもメイドが居るので家事子育ても楽。

 

さらにコーランには女性は外で収入を得て家計を助ける義務はない。

家のことをすればよい。

養うのは男性。

女性に収入があるのならそれは全て自分のために使ってよいと

明記されているそうです。

 

女性は差別されているどころか、

男性との体力的な差を考慮して優遇されているのですラブ

 

結婚前の恋愛で傷ついたり、傷つけあったり、

妻子ある男性との不倫など、女性へのダメージが大きい恋愛は

結婚を前提としたつきあいのみが許される社会では起こらないことです。

 

自由恋愛OKの日本、ならばどんどん皆が素敵な恋愛をして、

充実感をもって上手く結婚できているかというと、

実際は高いお金を払って婚活してる人も山ほどいる。

適齢期に妻子ある男性に振り回されて婚期を逃す女性もいる。

不幸な恋愛事情は山ほどあります。

反対に幸せな恋愛事情ももちろんあるのですが。

 

ずーっと守られて、傷つかずに女性の一生を終える、

こういう人生が本当にあるのなら、

自由な恋愛ができなくても

これはこれで理想的な(特に女性にとっては)社会なのかな、

と段々思うようになりました。

 

今のところローカルのお友達はいないのですが、

そういう話を聞けるお友達ができたら

実際女性はどう感じているのかじっくりお話を聞いてみたいところです。

 

さて、アバヤに戻りますが、

アバヤを着た女性は体の線を隠しているとは言え、

彫刻のような美しい顔は出している人がほとんどです。

私には黒いアバヤがきれいな顔立ちを一層引き立てているようにみえてなりません。

 

UAEではあまり見ませんが、徹底的にこのくらいの衣装↓にしないと

弱い男性を完璧に遠ざけることはできないんじゃないかと思っています(笑)

こちらはリゾートホテルも山ほどありますが、

水着も全身覆うタイプですキョロキョロ

水から上がると全身にベッタリ濡れた服がくっつくのと似ていて

寒そうです。

真夏ではない時期、プールサイドで

ブルブル震えている女の子がいました。

忍耐ですね。

 

最後に、一夫多妻制ですが、今も法律で認められているものの

最近はなかなかいないそうです。

元々は経済的に困っている未亡人を助ける目的のこの制度。

実際二人以上の妻がいる男性は妻一人一人を平等に扱うことが

前提らしく、それはかなりのお金持ちでなければできないそうで、

そんなに存在しないとのことです。