つい先日の出来事。
当日は私の仕事は休みでした。
朝子供たちをこども園に送った帰り道、おじいさんが自転車を引いて道路を渡ろうとしていました。
横断歩道は5メートル先でした。
通勤時間帯の裏通りということもあり、車の往来もけっこうありました。
わたしはおじいさんが渡ると思い停車して待ちました。
しかし、一歩も動かないおじいさん。
こちらに視線も向けません。
ん?どうしたのかな?
気になり、おじいさんを避けて、少し先に車を停めて降りておじいさんの元へ駆け寄りました。
おじいちゃん、大丈夫?
渡るなら手伝いますよ。
一緒に渡りましょう。
声をかけてもおじいさんは無反応。
自転車のハンドルをギュッと握りしめて険しい顔をして声にならない声で唸っていました。
少しすると異変に気づいた他の方が車を停めて降りてきてくれました。
大丈夫ですか?(男性)
状況を説明するとこの男性の方も手伝ってくれましたが、おじいさん一歩も動けません。
顔をよく見ると寒いのに汗だく。
とりあえず、渡るのはやめて歩道に戻ろうということになりおじいさんから自転車を受け取ろうとしました。
でも力いっぱい握っていてなかなか自転車を受け取れません。そうこうしているうちにおじいさんが尻餅をつくように座り込みました。
これはやばいかも。
咄嗟に思いました。
わたしはここで自分がマスクをしていないことに気付いたので車に取りに行き、戻ろうと振り返ったときおじいさんは横たわっていました。
幸い男性の方が寄り添っていてくれたので頭を打つことなく支えられていました。
すぐに救急車を呼びましょうとなり、
男性が慌ててかけてくれました。
その間、必死におじいさんに声をかけました。
すると女性の方が駆け寄ってきてくれました。
みんなで介抱しているとだんだんとおじいさんの意識が遠のいていき、呼吸が止まり脈が取れなくなりました。
すぐに女性の方が心臓マッサージを開始しました。
異変に気づいた方が近くのこども園に行ってAEDを持ってきてくれ、すぐに装着。
心電図をとり、電気ショック、、、と思いきや
「ショックは不要です。心臓マッサージを続けてください」と指示されました。
いつのまにか周りには15〜20人ほど人が集まっていて代わる代わる心臓マッサージを続けました。
救急車が遅いと感じたわたしは再度119番に通報。
「あと6〜7分で到着します。状況を教えてください。」
「80代男性、意識なし、呼吸なし、脈もありません。
心臓マッサージをしています。
AEDもしましたがショックは不要ですとなり心臓マッサージを続けてます。
早くきてください。」
みんなおじいさんの命を救うため必死でした。
とても長い時間に感じられて気持ちは焦るばかり。
遅い、遅い、早くしないとおじいさんが死んじゃう。そんな気持ちでいました。
そうこうしていると遠くにサイレンの音が聞こえてきました。
サイレンの音を聞いてこんなにホッとしたのは初めてでした。
パトカー、消防車、救急車、ドクターカーが到着。
おじいさんの呼吸が止まってから10分は経っていたと思います。
すぐに救急隊の方が心臓マッサージを代わりストレッチャーに乗せ救急車へ。
ドクターも乗り込みすぐに病院に向かいました。
お願いだから助かってほしい。
その場にいたみんなが祈っていました。
第一発見者としてわたしは警察の方や救急隊員の方から状況を聞かれ、説明しました。
また何かあれば連絡させていただきます。
ありがとうございました。
と礼を言われ帰宅してくださいとなりましたが、
この後おじいさんがどうなったのか知る術もありません。
帰宅後は力が抜け、呆然。
助かってほしい、
もっとできることがあったのかな。
そればかり考えてしまいモヤモヤしたままその日の夜はよく眠れませんでした。
毎日通る道なので、嫌でも思い出します。
おじいさんのぬくもり、
手の感触、
匂い。
なんと言えない感情になり、どうしたらいいのか。
おじいさんの、その後を知ることができればひとつ区切りができるのかな。
助かりましたよ!なり、残念ながら、、なり
知ることができたら。
心臓マッサージ、
救命訓練を毎年受けていてもその時になるとうまくいきません。
合っているのか、押しすぎて大丈夫なのかと不安しかなく、その不安が力を抑えてしまい
心臓マッサージの基本「速く」「強く」「絶え間なく」が難しい。
1人の命を救うためにこんなにも人の手が気持ちが行動が必要なんだとわかりました。
しばらくこの感情と向き合いながら過ごすことになりそうです。
周りの人は、
「よく車停めて声かけたね」
「どんな結果になろうと、本人もご家族の方もありがたく思ってるよ。自分ならそう思うから」
「よくやったよ、普通はできないよ」
など慰めてくれたので救われました。
こんな話をした後で言うことじゃないかもしれませんが、
みなさんも、あれ?と思ったら声をかけてほしい。
1分1秒でも速いに越したことはない。
声かけて何事もなければそれでいい。
無駄ではない。
ひとつ強く感じたこと、
助け合うことは大切なこと
心が温かくなる経験でした。