マックスのブログ
Amebaでブログを始めよう!

官能小説 家庭教師美沙子

「まあ、すごい。上出来だわ」


 マンションの一室に、大きめのテーブルと4個の椅子が置いてある。人物は二人。


一人は先程、驚嘆の声をあげた若い女性だ。手には五枚の答案用紙を持っている。


 彼女の名は、神崎美沙子。職業は、プロの家庭教師である。家庭教師というと現役の大学生を思い浮かべる人が多いが、最近の大学生は、総じてレベルが高いとはいえない。一方、一流大学を目指す高校生の親はハイレベルの人材を求めている。美沙子のような、社会人としての家庭教師。そのニーズは、近年高くなっているのだ。
「へへへ。これなら文句ないでしょ」


 美沙子から見て、90度左隣に座っている若い男子が、大野史彦。K高校の三年生である。


身長はさほど高くないが、目鼻立ちは整っている。すでに陸上部を引退し、現在はT大学を目指し、受験勉強に専念する立場だ。


「うん、文句はないわ。この分なら、油断さえしなければT大も確実ね」


 美沙子は口元をほころばせた。中学から大学にかけてバレーボール部に所属していた美沙子の身長は、一七〇センチをこえる。プライベートでは少し茶色がかったストレートのロングヘアを風になびかせているが、仕事の際はアップにしている。


バランスの取れた長身に、白のブラウス、グリーンのスーツを身に
つけ、メガネをかけている。コンタクトレンズを使用する事が多いのだが、仕事の際はメガネを手放さない。切れ長の二重まぶたは 充分な輝きを放ち、オレンジの口紅をつけた美沙子。その容貌は
家庭教師というより、有能な重役秘書を思わせる。


「でね、先生。あの件だけど」
「ああ、あの件ね」


 先週、美沙子は史彦と約束を交わしたのだ。今回のテストで、合計点数が四五〇点を上回ったら、美沙子は一度だけ、なんでも史彦の命令に従うと。


 テストの結果は、四七二点。見事、史彦の勝利である。


「それで、史彦君はどうするの?これだけの結果だもの。わたし、
何でも言う通りにするわ。何なら、デートしてあげようか?」


 美沙子の軽口に、史彦は下を向いた。意を決したように、太い声を腹の底からしぼり出す。
「先生の体が見たい」