午後8時になりかかろうとした時インターフォンが鳴りました。
「佐川急便ですがお荷物をお持ちしました」
受け取ったのは今日の午前10時23分にamazonに注文した本でした。
 
それは「ボタンダウンクラブ」のホームページと「VKOBOG会」のブログで知った
岩波書店から発行された佐山一郎著『VANから遠く離れて 評伝石津謙介』でした。
注文から10時間弱で私の手元に届いた事になります。
 
発行日は2012年3月23日。
その日の私は心臓左冠動脈にステントを挿入するカテーテル治療を受けて入院していた時でした。
 
帯の「天津租界」の文字も何故かワクワクさせます。
先日も大川洋行・大川正雄社長の孫娘夏子さんから
当時の天津租界の絵葉書等の画像を戴いてそのモダンさに感激していたばかりでしたから。
 
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はしがき
洋装受容における戦後最大の功労者であること以前に、石津謙介(1911-2005)は言動、振る舞い、著述のすべてが愉しい、あなどりがたい世界観を持つ人物だった。逆に言えば、「和して同ぜず」をこれほど難しくさせる人物も珍しく、魅力的な対象に飲み込まれては脱出、脱出してはまた飲み込まれの連続であったと、まず告白せねばならない。・・・・・・
稀代のこの快男児のの名には、「ヴァンヂャケットの総師」と「アイビー・ルックの提案者」が添えられる。ところが伝説的男性服メーカーであるVANは、石津謙介66歳時点の昭和53(1978)年春に推定負債総額511億弱を残して倒産。以後の彼はファッション・プロデューサー兼ライフスタイル評論家という肩書で世渡りをする事になる。たまに街で見かけるVAN製品の多くは、その後の商標権ホルダーによるブランド管轄の品々である。・・・・・・
 
あとがき
・・・・・・「書き終えたくない」という素人然とした思いに悩まされたのは初めてのことだった。説明しづらい奇妙な体験である。執筆という営みは最終行の句点に向ってスタートを切ることである。ところが本書の場合は「何かの始まり」のために始めた「終りなき追いかけっこ」のような様相を呈した。・・・・・・
 
「あとがき」にある如く一気に読み終えたい気持ちとは裏腹に
二段組み330ぺージをじっくりと時間を掛けて読み進みたい気持ちが優先しています。
 
私が「石津謙介」関係本の記述で一番興味が有るのは
昭和21(1946)年4月に佐世保で本土の地を踏み
昭和22(1947)年に有信実業に入社し
昭和26(1951)年石津商店を起こすまでの時代考証です。
 
取り急ぎ一気にかつ斜め読みでその時代の箇所まで行きつき
僅かの不具合は感じるが、おおむね満足して今この記事を書いています。
 
今までの「石津謙介」関係本の中でも
内容の濃い事は充分に感じさせ
読みごたえと闘う事の楽しみを与えてくれそうです。
 
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