街の光が夜の底を削り、
通信の世界的発達に伴って、
世界は眠らなくなってきた。
しかし、人たるゆえに闇はあり、
そこに巣くう者たちもまた消えゆくことはない。
人は人への関心を減らし、
我々のひどく潜り込みやすい社会となった。
しかし、変わらず人は排他的で、
異なる者に敏感で、
情報は一瞬にして伝播する。
我々のひどく潜り込みがたい社会となった。
資本による差別は生まれても、
貴血ゆえの階級はもはや薄く、
複雑ながら単一の社会が構成されている。
そして、人は、闇への興味を忘れない。
ビルの屋上から眺める眼下で、
闇を生む生き物たちがひしめいて、
その闇に巣くう我々は結局のところ、
人の社会に溶け込んで生きざるをえない時代となったのだ。
はぁ・・・
私は吸血鬼と呼ばれる存在だ。
永い時を過ごし、
人がどういう生き物かを、人以上に知っていたつもりだった。
しかし、だ。
人間社会で生きるのは難儀する。
価値観が半オクターブくらいずれていたり、
常識が三馬身ほど遅れていたり、
人間になりきっているつもりの行動は、
なにゆえか、天然と称される所以のものとなっており・・・
はぁ・・・
わたし・・・人に溶け込む才能がないのだろうか・・・
いや、人に溶け込むだなんて、
そんな才能があったらあったで、きっと始祖たちが聞けば嘆くだろうけれど・・・
これは、そんな現代社会から17ドットほど歪んでいる私の、
人間社会の日常に溶け込まんとする戦いの記録・・・かもしれない。
最後になるけど、ちょっち自己紹介・・・?
いやね、ちょっと色々ずれてたり、
夜行性だったり、
ニンニク嫌いだったりして・・・
いつの頃か、吸血鬼だなんて呼ばれるようになったんですよ・・・
もう・・・それでいいさ・・・