労働生産性を高めるには、企業内のソフト改革も必須だろう | No Rice,No Life! 佐藤琢也公式ブログサイト

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つい先日、『日本の有給休暇消化率』が発表された。
エクスペディア・ジャパンの調査によるものなのだが、消化率は50%で、世界(28の国と地域)では最下位だそうだ。

 

次いで消化率が低かった国は、韓国(消化率53%)、インド(同71%)、シンガポール(同78%)、メキシコ(同80%)、アメリカ(同)、イタリア(83%)と続くのだが、一方、仏国、スペイン、ブラジル、オーストリア、香港の消化率は100%だった。

 

 

また、同調査によると、『休みが不足している』と感じる人の割合は、日本(34%)が最も少ない。ふむ。働き過ぎ改革も必要なのだよね。

 

※エクスペディア・ジャパン調査
期間:2016年9月12~29日
対象:28の国と地域の9424人が回答

 

さて、日本の生産年齢人口(23~64歳)は減少の一途である。

周知の通り、世代別人口の構成グラフは逆ピラミッドを形成しているわけで。

 

それゆえ、『1人が生み出す生産力や付加価値を高めなきゃ』という論調に熱が帯びるわけだが、とはいえ日本全体の労働生産性は低い部類に属する。

 

(OECE加盟34カ国中、日本は21位(2014年)・先進7カ国の中で最も低い)

 

となれば、長時間労働は必須的になりやすいけれども、先日の電通自死のような問題、さらには、その予備軍を増やしてしまう危険性だってある。

 

熱を帯びるもう一つの論調風に言えば、ワークスタイル改革がその起爆剤になり得るのだろうか。富士通やパソナ、アクサ等が推し進めるテレワークトライアル、組織風土改革、ダイバーシティ的な。

 

前述の通り、日本全体の労働生産性は低いのだが、一概には言えない。業種別に見れば製造業のそれは断トツに高いわけで、少ない労力でも高品質・高付加価値製品を生み出す努力をされてきた賜物だろう。

 

一方、ホワイトカラーは非効率の巣窟的なレッテルが貼られやすいけれども、そうも一概に言ってはならないと思う。

 

業務の多様化、複雑化、それに伴う一人当たりのルーティン増量があるのだからと。さらには、人員不足などにより雑務量が増えつづける現場もあるのだからと。

 

そこで出てくる解決策として、在宅業務論、外出先での可能業務拡大論、それを担保するセキュリティシステム論、縦割り型から横断型への改革論があるけれど、いずれも特効薬にはならないと思う。

 

いや、それ自体への疑問、否定ではなく、生産性という概念からすれば、仕組みや規則等のハードばかりにフォーカスするのではなく、ソフトも大事だろうと思う次第なのだ。(もちろん、担保という意味でハードは大事)

 

たとえば、目先や今期の数字を追い求める企業は少なくない。
それもそれで確かに大事なのだが、自社商品(サービス)の価値を丁寧に育てるという概念が、どうしても薄まりやすくなる。

 

なれば、企業自体が本来ある自社価値に気づいていない、ゆえに生活者に伝え切れていないという本末転倒的な現象が起こりやすい。

 

これまでの踏襲もそう。
前回の、前月の、昨年のコピペでは、すぐに古びた感が漂う社会スピードだ。

 

効果の賞味期限や常識というものだって足早に移りゆくわけで、発想方法、アイデアの出し方、会議や研修方法も、これまでからの逸脱が大事だと思うのだ。

 

ようするに、労働生産性にフォーカスした場合、社内のソフト改革もハード同様、いや、ケースによってはそれ以上に大事だと思う次第である。

 

そういえば。先日、『あなたのストレス解消法はなに?』と聞かれたのだけれど、うーん、と悩んでしまった。答えが見つからなかったのだが、大事だよね。それを見出すことも。

 

さ。三連休が終わった。ほっとするのも束の間、クライアント先の年末年始へ向けてのイベントは続く。ご依頼頂いてる原稿執筆も含め、楽しみつつ頑張ろう。全速力で。