クライアント先のマネージャーさんから釣りのお誘いがあった。昨日のことである。
すぐさまピンときた。波止場からでもビックサイズが揃う、春イカ(アオリ)のシーズン中なのだ。
この時期、堤は釣り人で溢れている。活けアジをエサにするヤエン師、ウキ仕掛け師が、竿を出せるギリギリの間隔で並ぶ姿も珍しくはない。
さらには、エビに似た疑似餌をひたすら投げては巻くエギンガー。ラン&ガンを真骨頂にし、各波止を渡り鳥のように歩く。
個人的には、ほぼヤエンオンリーな釣り方だが、病みつきになって仕方がない。イカが泳ぐアジ(エサ)に抱きついた時のけたたましいドラグ音。昼寝から一瞬にして目覚める如くである。ヤエンをラインに掛け、投入するシーン。緊張感から掌に汗が滲む。ヤエンがイカに到達し、ジェット噴射をもって抵抗するシーン。その姿を見たいと切に願う。
もちろん、釣り応えもある。1.5~2号くらいの竿が弧のように曲がり、実に気持ちの良いファイトになるのだから。
アオリイカ釣りには2シーズンある。春はビックサイズ、秋はスモールサイズの。
イカ釣りファンは両方を狙うものだが、なんせアオリイカは旨い。もちろん他のイカも旨いのだが、お刺身、焼き共にどこか別格なような気がしてならないのだ。
そういう春イカのシーズンも、もう終盤戦に入ったこの頃。
例年5月が最盛期だが(和歌山県中紀辺りは)、今年はいつまで接岸を続けるのだろう。毎年恒例の儀式に参加するような気分にもなるのだが、至高の悦びを味わいたいものだ。