頑張れファミマ。「Fun&Fresh」よりも「街中のアミューズメント」的に。と、激しく期待する件 | No Rice,No Life! 佐藤琢也公式ブログサイト

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企業論、人財論、労働論、マーケティング論、プロモーション論。
時事問題、関心事、個人的な日常など、徒然なるままに綴ります。

コーヒーが好きだ。
とはいえ、スタバには行かなくなったな。
いつの頃からか「すっかりご無沙汰しております」である。

店内に漂う、意識高き人臭を嗅ぎ取ったからなのか。
イケてるつもりが、じつはイケてない。という自分に気づき、興ざめしたからなのか。

はたまた。ツウぶって、シアトル的なスピリットが味わえないよ?と悟ったからなのか。

諸々の説はあるのだが、いや。どこか微妙に違う。そこら中にコンビニ・コーヒーがあるから。ふむ。個人的には言い得て妙である。




スタバといえば。
ご存知の通り、ハワード・シュルツである。

彼はスタバを退職後、スタバを買収してCEOに就いた。世界中に17,000店以上を展開した立役者でもある。

有名すぎるエピソードだが、彼はイタリア滞在中のエスプレッソ・バーで驚愕したという。

バリスタとお客の間に繰り広げられるフランクな会話。
優雅に注がれるエスプレッソ。
心地良い雰囲気に包まれた店内。

そうか。ただコーヒーを飲み、休憩するだけの場所ではない。ここは素晴らしい体験が味わえる「劇場」なのだと。

以来、彼は自身の、自社の立ち位置を決めたという。
「私たちはコーヒー・ビジネスを展開しているのではないのです。コーヒーを提供するピープル・ビジネスを展開しているのです。」という風に。




これまた周知の通りだが、マーケティングの教科書的な存在でもある。ディズニー、リッツと肩を並べて。

ようするに、商品やサービスそのものを提供しているのではなく、それを通じた何かを提供しているという具合である。(付加価値とも言う)

時流なのだよね。きっと。
多くの、一定層の人々はそのもの自体に全ての価値を見出さなくなったというか。無意識にソフト的(付加価値)なものを求める消費スタイルと言っても過言ではなさそうだ。

クライアント先でのプロモーション、販促に関わる中でも、そういう潮流が肌に伝わってくる日々である。

たとえば「温泉旅館に泊まる」という行為もそうなのだよね。
露天風呂付き客室。本間10畳+次の間4.5畳。総檜の浴室。硫酸塩泉や鉄泉などの泉質効能。
そういう物質的なものよりは、その旅館や、そういう部屋に泊まることによって得られそうな何かに期待されるお客さんが多い。

(もちろん、ハード、物質面も大事なのだけれど、どちらかと言うと裏付け役的な)

旅館に限らずだけれど、味わえそうな気分。得られそうな時間。自尊心的な、承認欲求的なものを満たせる何か。そういうソフト重視な思考が伺えるし、人々の価値観はそれだけ多様化しているとも言えそうだ。




そういえば。先日、ファミマでコーヒーを買った。
ついでにトイレを拝借したのだけど、なにやら不思議なものが置いてあった。その正体は「あぶらとり紙」だ。

あくまでも個人的な感覚だけれど、う~ん。シックリ来なかったのだよね。その存在が。(便利の追及という理由なのかもだけど)




余計なお世話だけれど、もう便利競争は良いではないか。と、思ったりする。

というのは、コンビニは「便利」を提供しているに違いないが、とはいえだ。とはいえ、もはやハード化、記号化していないか、という気がしないでもないのだ。これだけ街中に溢れていれば。

というわけで「便利」という順張り的なカテゴリーを超えた独自路線。そのコンセプト、ミッションを生活者に浸透させたらいいのにな。と、トイレ内で妄想していた次第。(勝手ながらではあるのだが)

オリジナル商品とか、PB(プライベート・ブランド)商品の開発にしてもそうで、セブンやローソンを視線の先に捉えた競争よりも、独自路線を歩むためにというか。

個人的にはファミマが一番好きだ。
トイレが最も快適であり、ゴミ箱が必ず店外に置いてある(店内にあるお店もあるのかな?)。そして、諸々の理由で。

順張りではなく、逆張り的に。「Fun&Fresh」よりも「街中のアミューズメント」的に。と、個人的には激しく期待する次第である。




やや余談的だが、王者セブン&アイHDの売上2兆5,292億円(シェア37.3%)に対し、売上1兆7,219億円(シェア25.4%)のファミマは業界第3位。(H26年度)

そして、平均日販(1日の平均売上/2014年2月~11月期)も約66万円のセブンに対し、ファミマは約51万円。(サークルKは約44万円で、合併したら1店舗あたりの平均日販は下がりそうな気配。)

というわけで、頑張れ。ファミマ。
コーヒー1杯が150円でもバンバン売れるように。
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」は、企業名想起率(企業メッセージの浸透度)で堂々の2位(62.7%)だが、業界的な、順張り的な鉄柵を、ぜひ超越していただきたい。
(出所 日経BPコンサルティング・企業メッセージ調査2014)