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valuable---thingのブログ

大事にしているものを、信じてたいんだ。
色んな形の感情で取り巻いて自分を生きることで
どうか今日も幸せでありますように。


もう10年前のこと、
まだ10代の頃の話。
ドラマティックでもなんでもない、インターネットのゲイ出会いサイトで始まった。
初めての恋。
そして誰よりも強く思う、愛というものへと続く始まり。



周りより早くから働いていた僕は仕事ばかりの毎日をそれなりに楽しみ、しかしながら職場以外で友達がいない寂しさを忙しさで埋めている人間だった。

昔から感じていた自分の恋愛対象が同性であることにちいさく拒絶感はあった。
だから孤独でいなければいけない。
それを耐えなければならないーーー。
ずっとそう感じていた。

誰かに出会うことを恐れながら、強く望んでいた。


ゲイの出会いは基本的にネットしか知らずに、そういう出会い系サイトは以前から知っていた。
ただ見るだけでメールを送るのは気が引けたし、自分で投稿するなんてもっとハードルが高かった。
それでも同じ人種の存在がいるという確認が出来るだけで、いくらか安心だった。


「友達募集」
という彼の書き込みに、
自分が勇気を出してメールしたのが全てのはじまりだった。

返事が来るのを待つだけの時間がすごく長く感じて、もちろん返信など無いということ前提で。
それでもドキドキしている時間はいつもより長く感じた。

ーーどんな人なんだろうか。


何時間か経って帰ってきたメールがすごく嬉しくて。
今までたくさんの諦めてきた気持ちと、これから諦めなければならないたくさんを分かってくれる人がこの世にもしかしたらいるのかも知れないって、静かに涙が出た。


それほどにまで、自分を受け止められていない時期だった。


ーーー続く。
「メール」