付き合い始めたばかりの頃、
夫は私に
目をキラキラさせながら
観音様の話をたくさんしてくれた。


そんな彼が
私はとても好きだった。




そして、
間もなく、
私も
夫に劣らないくらい、
この観音様が大好きになっていった。


上手く言えないのだけど、
なんというか、、

この観音様が
いつも私を見守ってくれている
そんな感覚があった。



今も変わらず、そう思ってる











少し話が逸れるけど


夫と出会った頃、
彼は完全なベジタリアンだった。

それは
付き合い始めてからも
暫く続いてた。


そして、
同棲を機に、
私は半ベジタリアンになり、
(魚介類は摂取)

逆に夫には、
私に合わせてもらい、
野菜、穀物類だけでなく、
魚介類も
摂取してもらうことにした。



・・なぜなら、
この時、夫はまだ若かったけど、
食生活の影響?
と思うような
体の不調が
既にあちこち出始めていた。

夫の先々の体を考えると、
心配で
いくらかでも
食事で改善したいと思ったのと、

外食などが
ほぼできない問題も
解消したかったから。



これらの問題がなければ、
私も完全なベジタリアンに
なっていたと思う。



私個人が
肉食をやめた理由からすると、
それを続けるのが筋だと思ったけど、

今後も
半ベジタリアンでい続けるのは

離婚しても尚、
夫に追随するようで
嫌だった。


だから、離婚後
私はもとの食生活(肉食)に戻した。



肉食をやめると
闘争心が減退するとか
そんな意見を
目にしていたけど、

今になって考えてみると、
確かにあの頃、
私の怒りが
持続しにくかったのは
この食生活も
少なからず
影響してたのかもしれない、と思う。






話を観音様に戻す


この観音様、
本当に不思議だったし、
何かパワーのようなものを
感じさせる存在だった。




様々な制約があり、
この観音様に
触れ、拭いたりできるのは
原則、年に一回。
決められた日のみとされていた。

そのような状況下で
長年、毎日
像の前の香炉で
お香を焚いていたけど、
首から上だけは
すすけたり、汚れることはなかった。



また、
その時の
自分の心の状態が
観音様のお顔・・
表情や状態に
投影されているようだった。


顔色が悪かったり、
逆につやつや、
ふっくらとして美しかったり

微笑んでいたり
厳しいお顔だったり



ハッとし、
本当に驚いたのは、

観音様が涙目になっていたとき

その日の、
気温や湿度が
影響してたのかもしれないけど、

その日
時間をあけて、
夫と一緒に
何度も確認したが
それは変わらず
2日ほど涙目は続いた。




そうやって、
私達はそれぞれに、
その時々の
己の状態、状況を
観音様を通して感じ、考え
自分と向き合う機会を
もらっていたのだろう



以前の夫は
観音様と、
そういった時間を大事にし、
その時々内省していたように思う。




大手企業への転職に成功し、
この見知らぬ地にきてからというもの
夫は公私共に順調だった。

だけど、
それに反比例するかのごとく、
彼の中で観音様は
薄れていったようにも思える




個々の中での
観音様に対する重要度は
その時々で変化する

それでも
私達にとって
観音様の存在は
すごく重要で特別だと思ってたし、
今後もそうあり続けると思ってた。

私達夫婦が破綻したとしても。







夫はその後、
本当に観音様を
手放したのだろうか・・


できることなら、
私が引き取りたかったけど
今の私には無理だった。


もし、今
お寺におられるのだとしたら
申し訳ない気持ちになる。








今も時折、
無性に観音様に会いたくなる



私が求めているからこそ
そのような情報を得るのだろうけど、



それなりに
よく知っている地元の地で
偶然、観音様を祀っているお寺を
新たに発見したり
(近所なのに
 お寺がある事も知らなかった)


つい先日も
今通っている学校の
カリキュラムの一環で
たまたま足を運んだ地に
廟(びょう:タオ式の寺院)を発見したり


もう
あの観音様には
会えないかもしれないけど、

ご縁を繋いで下さっていると、
勝手だけど、嬉しくなる




先日発見した
この廟では
南海観音様ではないが
観音様を祀っているとのことで、
日を改め、行ってきた。



少し時間が遅かったせいか、
私以外に参拝者はおらず、
管理人の方のご好意で
ゆっくりと参拝させてもらった。



久しぶりの廟

赤を基調とした、
あの独特の色使い

あたりに充満する
よく知った、お香の香り



この廟の4階に
観音様は祀られていた。


メインとされる
仏壇の豪華な仏像ではなく、

大きな香炉の奥に置かれた仏像

私の知るあの観音様に
佇まい、
表情が似ており

その姿はまさに
私が会いたかった、
あの観音様を彷彿とさせてた。



それで
何とも言い難い
色んなモノが
一気に押し寄せ、
涙と鼻水が止まらなくなった。。

(他の参拝者がいなくて本当によかった)





どちらも観音様だけど、

こちらにおられるのは
観世音菩薩様

私が会いたいのは
南海観音菩薩様


なので、
厚かましいお願いと思いつつも


自分の素性をお伝えし、
南海観音菩薩様へ
どうぞよろしくお伝えください
とお願いし、



そして

これからの
私が力を尽くして
生きていけますように

それもお願いしてきた。