昔、大好きな彼がいた
Kちゃん



後にも先にも
あの頃の彼以上に
愛し、愛されることはもう、ないんじゃないか?

そう、思う



Kちゃんとは
私のバリ旅行が原因で別れた。

単純に若かった2人

Kちゃんは私にバリに行ってほしくなかった

でも私は楽しみにしていたし、
友人らと約束した手前
行かない訳にはいかなかった。


そんなくだらない事で別れてしまった。



案の定、旅先で私は荒れた。

そして、
同じホテルに長期滞在していた
3個上の日本人男性に
猛烈なアピールを受ける。

「俺の彼女として、
 一緒に事業をやり、ここに一緒に住もう。
 お金の心配はいらない。」

と。


最初は何をバカなことを・・
と思っていたけど、

2週間の滞在中、
何度もアピールされ
大好きな彼と別れ、
ヤケクソになっていた私は
自分の嗅覚が 『違う』 と言っていたのに
それを受け入れた。



彼のことを好きになった、とかじゃなく

お金の心配もいらないし
2~3年くらい語学留学・・

そんなつもりだった。



酷い女だと思う。




そうと決まると、
彼は私達の帰国に合わせ
自身も帰国し、
互いの家族へ挨拶へ行った。

と言っても、
彼もまた複雑な家庭に育ち
血の繋がった両親は既に他界していた。




彼とのバリでの生活は
ストレスに満ち溢れていた。

旅行で行くのと、
実際に住むのとでは全く違っていた。

そして、
愛する人だったり
夢があればこそ
そんな事は気にならないのかもしれないが
私にはそんなもの自体なかった。


そうやって生活していくうち、
どんどん彼とも上手くいかなくなっていった。
彼は仕事絡みの付き合いで、
頻繁に出かけ、深夜の帰宅が増えた。


私はここにいる意味を完全に失い、
「別れて、1人帰国したい」
と言っても
彼はそれを許さなかった。


「今まで俺がお前に使った○百万円返せ!!」

「勝手に帰ったら、その手の連中に実家まで追い討ちかけさせる」

そんな脅しだけが返ってきた。
家族に危害を加えられるかもしれない、、
そう思ったら恐ろしかった。



そして、
そんな彼を独り家で待ちながら
心の底から憎んでいた。


死ねばいいのに


私は毎日、
彼の死だけを
ひたすら願っていた。