5月9日、起訴状には「てんかんの発作が起こることはないものと軽信し」


「大型特殊自動車の運転を開始した過失」とある。


鹿沼市の事故で宇都宮地検は、柴田将人被告(26)に


自動車運転過失致死罪を適用し、起訴した。


 02年の道交法改正により、過去5年以上発作がなく、


一定期間は起きる恐れがないなどの判断基準を満たしたてんかん患者については


運転免許取得が可能になっている。


 その判断基準を運用する大前提となる持病申告は、


患者本人の意思によるところが大きく、柴田被告が持病を申告せずに免許を取得、


更新していたことは捜査段階で明らかになっているという。


地検は「クレーン車の運転自体が過失」と主張する方針だ。


 とはいえ、一般のてんかん患者が事故を機に不安にかられているのも事実。


「法改正前に逆戻りするのではと、患者は心配している」。


日本てんかん協会県支部の鈴木勇二事務局長(69)は


「年間4、5件だった」免許取得の相談が、事故後は約5倍に増えたと打ち明ける。


「発作は起きないから大丈夫と楽観しないこと」と、


患者が持病を申告しないのを戒めると同時に、社会の理解も求める。