16日、「平泉の文化遺産」が世界遺産に登録された岩手県平泉町で


恒例の「平泉大文字送り火」が行われた。


 今年は、東日本大震災の津波で被災した同県と宮城県の沿岸14市町村から


集めたがれきを燃やし、犠牲者の供養をした。


 平泉観光協会が7月下旬、がれきとなった漁具や住宅廃材を回収して用意し、


地元中学生らのリレーで中尊寺本堂の火を駒形山(430メートル)まで運び、


午後8時に火が付けられた。


約100メートル四方の「大」の字が浮かび上がると、


町民たちは静かに手を合わせ黙祷をした。


 「京都五山送り火」では、薪(まき)の表皮から放射性セシウムが検出され、


岩手県陸前高田市の松の使用が中止となったが、


同協会によると、平泉では放射性物質の濃度測定は議論にすらならず、


京都市の中止発表後、「平泉は被災者の気持ちをくんでいる」


などと賛同の声が寄せられたという。