政府は5月12日、警戒区域内の家畜について、


苦痛を与えない「安楽死」によって処分する方針を発表したが、


拒否を続ける農家は多い。


殺処分の現場を目の当たりにした野口さんは、


「確かに家畜の多くはそもそも論として食用として殺されていく運命だ。


しかし、その死と殺処分の死では意味が違う。


命のために命を頂いている。それが食べるという行為だ。


しかし、あまりにも安易な殺処分は命を命として扱っていないような気がしてならない」


と、殺処分以外への道を訴えている。


殺処分は現在、伝染病を持ち込む恐れのある豚を優先して行われていて、


震災前に約3500頭いた警戒区域内の牛は、


餓死などで約2000頭まで減ったという。


野口さんや高邑議員は、残った牛を放射線の影響を受けた貴重な生物資源として


保護観察下に置き、国際的な研究に生かすという


「ファーム・サンクチュアリ~希望の牧場~」構想に取り組んでいる。