平安遷都から60年余りたった貞観年間(859~877)のこと。
都に疫病が流行る。
高温多湿の盆地だから、病はあっという間に広がり死人が続出した。
朝廷は悪霊を鎮めようと863年、神泉苑で御霊会(ごりょうえ)を行ったが、
疫病は治まらない。そんな中、869年、東北で貞観地震が起きた。
地震はM8を超え、今回の東日本大震災と同じような大津波が三陸を襲う。
惨状は都にも届き、史書「日本三代実録」などに記録がかなり詳しく残っている。
朝廷は日本一帯が天災や疫病を起こす怨霊(おんりょう)にたたられていると恐れおののいた。
そして地震から12日後、薬師如来の化身とされる牛頭大王をまつり、
日本の地方国の数と同じ66本の矛を立てて大々的な「御霊会」を行う。
矛に諸国の悪霊を移し宿らせ、それをおはらいしたという。
これが、祇園祭の始まりだとか。
今年、8月6~8日に仙台市で行われる仙台七夕まつりに、
園祭山鉾連合会が町衆を派遣し、長刀鉾のお囃子と綾傘鉾(あやがさほこ)の
駒形提灯(ちょうちん)や傘を披露するという。
祇園祭と天神祭のポスターが並ぶJR大阪駅から京都駅へ。
京都駅では改札口の上に駒形提灯が飾られ、すっかり祭りムードになっている。
地下鉄にて四条烏丸に。地上に出れば、祇園囃子が聞こえる。
