14日、第145回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が
東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれた。
直木賞は池井戸潤さん(48)の「下町ロケット」(小学館)が受賞。
芥川賞は、平成22年1月の第142回以来の「該当作なし」だった。
「平成生まれ」で初めて候補入りし、23歳1カ月の丸山健二氏
(昭和42年の第56回)を抜く男性最年少記録を期待された
北海道大生の水原涼さん(21)は受賞を逃した。
受賞作の「下町ロケット」は、横暴な大企業に振り回され、
存亡の危機に陥った町工場を描いたビジネス・エンターテインメント小説だ。
宇宙ロケットを飛ばす夢をあきらめ、実家の町工場を継いだ主人公が
取得した最先端特許をめぐり、さまざまな人間模様が繰り広げられるというエピソード。
直木賞選考委員の伊集院静さんは、
「(過去に候補となった池井戸さんの作品から)一貫して姿勢を変えていない。
読み物としておもしろいし、読後感が爽快だ。
今まで人間が書けていないといわれてきたが、今回はそういう意見が出なかった」と評価している。
