鶴竜のもろ手突きをのどに食らった魁皇が、


つっかい棒がはずれたかのように膝から崩れ落ちた。


 「1回待ったして、その後は相手に合わせて立ってしまったんでね。


そのまま倒されてしまった」と淡々と魁皇が振り返った。


 その「待った」がかかった1回目は、魁皇有利の状況だった。


左前腕部を相手にぶつけるような「かっぱじき」で鶴竜の向きを変え、


真横の位置につけていた。だが鶴竜の手つき不十分で行司の「待った」が入った。


「いや、助かりました。完全に後ろにつかれるところでしたから」と鶴竜。


 「思い切り当たっていこうと思っていた。(待ったで)相撲の流れは変わるわな」とは魁皇。


目前の白星を逃したが「まあ、しようがない」・・・。


 その後の“本番”での倒れ方は、倒した当人の鶴竜すら


「大丈夫かなと思った」と気遣うほど、下半身に力が入らない状態をまざまざと示していた。


放駒理事長(元大関魁傑)も「ああいう負け方をすると心配だね」と話した。


 場所前からの腰痛は快方に向かわず、「しびれは場所中は取れないな」と魁皇。


「自分がうまく調整できなかったんだから、しかたない」と、潔く話す。


 大関に昇進した平成12年秋場所以降、初日から3連敗するのは5度目。


過去3度は4日目から休場している。その判断は


「本人にまかせる」とは師匠の友綱親方(元関脇魁輝)。


魁皇自身は「今は考えてない」としたが心配で仕方が無い。