1日、カナダ・ケベック州在住の仏人アニメーション作家のフレデリック・バック氏(87)が


緊急来日し東京・江東区の東京都現代美術館で「フレデリック・バック展」


(2日~10月2日)の開会式に出席した。


スタジオジブリの高畑勲監督(75)と女優の竹下景子(57)らとテープカットを行った。


 アニメ界の「至宝」と呼ばれる同氏の、人と自然をテーマにした作品群を


時代と共に振り返ることができる内容になっている。


アカデミー賞短編アニメーション賞に輝いた「木を植えた男」の映像や代表作の原画、


戦前のフランス在住時のドローイングなど約1000点もの作品を目にすることが出来る。


 約30年前にバック氏の作品と出会い、その作風に深く影響されたという高畑監督は、


「バックさんの業績を何らかの形でお見せできればと熱望していたが、


これほど大きな規模でできるとは思っていなかった。


(ご本人が)ここにいらっしゃるなんて夢みたい」と笑顔であいさつ。


「大震災に見舞われ、これからどういう日本を作っていくか考えているきょうこそ、


バックさんの作品が多くの示唆を与えてくれると思う」と展覧会開催の意義を話した。


 バック氏も来日を喜び、「この瞬間を皆さんと共有できて大変感動しています。


皆様の友情と信頼と勇気に敬意を表します」とあいさつをした。


「常に学ぶことがあり、発見と驚き、また何かを作り直すことに


事欠かないこの世界を大切にしてください。


皆さんを取り囲む、素晴らしくももろい生命が生き延び、


未来の世代のために豊かにさん然と再生するように」と祈りを込めるようにメッセージを伝えた。