愛知県警捜査2課と東署は8日、事実上倒産した名古屋市東区の宝石販売


「美宝堂」をめぐり、詐欺の疑いで、実質経営者で専務の野々垣敬容疑者(55)を逮捕した。


 逮捕容疑では、昨年6月下旬、市内の男性会社役員(49)に


電子メールで「中国向けの高品質ダイヤモンドが品不足で


大きな利益が見込まれている」と架空のダイヤ商社への投資話を持ち掛け、


500万円をだまし取ったとされる。


「40日後に15%の配当を上乗せし、575万円を返金する」という保証書を


手渡して信用させていた。「間違いない」と認めているという。


 男性は昨年3月に投資を始め、当初は配当があった。


県警は資金の一部を配当に回して信用させ、さらに投資させる自転車操業だったとみている。


野々垣容疑者は「売り上げが減少し、多額の借金で新たな借り入れができず、


資金繰りに窮していた」と供述しており、だまし取った資金で


借金の支払いをしのいでいたとみられる。


 トラブルに遭った被害者らによると、野々垣容疑者は09年夏ごろ、


会社の知名度と信用を背景に、地元経済界の知人らから資金集めを始めた。


逮捕容疑の男性を含め、少なくとも5人が約6千万円の返金を求めているという。