「大相撲技量審査場所千秋楽」


 異例ずくめとなった技量審査場所を、横綱白鵬が偉業達成で締めくくった。


結びの一番で大関魁皇に寄り切りで敗れたものの、13勝2敗で通算19度目、


そして元横綱朝青龍に並ぶ史上最多7場所連続の優勝を飾った。


魁皇は9勝目を挙げ、元横綱千代の富士の歴代最多1045勝へあと1勝と迫った。


関脇琴奨菊が、大関把瑠都を破って10勝目。


2場所連続で2けた勝利を挙げ、来場所で大関とりが懸かる。


 強い者が強いんだ‐。千秋楽は魁皇に不覚を取ったものの、


白鵬が史上最多タイとなる7場所連続優勝を達成。八百長の存在が明らかになり、


不信の目が向けられる土俵で、横綱が変わらぬ強さを示した。


 偉業達成にも笑顔はなし。


神妙な表情で「長かったような気がします」と息をついた。


「7連覇はすごいことかもしれませんけど、結果を出せたことが何よりです」。


無事に15日間、横綱の責務を果たし終えたことがなにより。


 場所前は「優勝しない方がいいのかな」と発言するなど、投げやりな気持ちが心を支配した。


「同じ釜の飯を食った仲間が突然いなくなり、寂しい気持ちがあった」。


ふさぐ心を、残る仲間がほぐしてくれた。


「稽古でいろんな関取と胸を合わせて、一生懸命にやっていこうというのを感じた」。


仲間とともに角界を守り抜く決意を固めたようだ。