9日、東映の名誉会長、岡田茂さんが肺炎のため都内の病院で亡くなった。


87才だった。


 岡田茂さんは『網走番外地』『仁義なき戦い』などのヤクザ映画を数多く手がけ、


映画会社としての東映を一世代で大きなものにした。


 「東映を一流にした男」とまで言われた岡田茂さんだけに、


業界からは悲しみの声が続出しているという。


 さぞ、東映本社でも大騒ぎになっているだろう…と思いきや、実は違うらしい。


 「東映の作品は全て見ている」と豪語する映画ライターのHさんはこう語る。


 「東映社内は全然いつも通りだったらしいです。


今の東映の若い社員は『網走番外地』も『仁義なき戦い』も全然見てませんし、


岡田茂の名前も知らない人も多いんですよ。


東映のヤクザ映画はなんだかんだで、もう下火ですし…」


 東映社員があの岡田茂の存在すら知らないとは、何とも残念だ。さらに


Hさんは東映の現状についても教えてくれた。


 「今の東映は『相棒』以外全然客が入らないので、ひたすら赤字続きなんです。


では何で儲けているのかというと、『仮面ライダー』に『プリキュア』なんです。


 仮面ライダーやプリキュアは映画も出せばヒットするし、


おもちゃの収入もプラスされるので驚くくらいに利益が出る。


岡田茂さんの息子の岡田裕介社長も最近は『困った時には


仮面ライダーやプリキュアが助けてくれるさ』と口癖のように言っていると一部で話題になっています」


 「映画界のドン」が、草葉の陰で泣いている…ようだ。