第83回センバツ大会第10日の1日、智弁和歌山は準々決勝で履正社(大阪)に3-10で敗れ、


残念ながら4強進出はならなかった。


11安打を放ったものの、中盤の大量失点が響き、11年ぶりの春の4強進出を逃してしまった。


東日本大震災を受けた今大会。「全力プレー」を常に心掛けてきたナインの姿に、


2万4000人で埋まった球場から拍手が送られた。


 ゲーム内容は、五回に打者12人の猛攻を受け、7点を失うまさかの展開。


それでも衰えないスタンドの声援に、その裏、選手が応えた。


 2死無走者から山本隆大選手(3年)、小笠原知弘選手(同)が連打し、


道端俊輔選手(同)も四球を選んで満塁のチャンス。ここで4番・宮川祐輝選手(同)が打席に入る。


1、2回戦通じてわずか1安打。「4番としてここで打たなくては」。


思いを込めた右前への打球は、チームに勢いを取り戻す2点適時打となった。


チャンスに沸く智弁和歌山のアルプス席 八回には先頭の道端選手が中越え二塁打を放ち、


再び打席に宮川選手。内角球を振り抜き、左前に適時打を放ち、さらに1点を返した。


 1、2回戦で好投した青木勇人投手(同)は直球は走っていたが、


選球眼の良い相手打線にてこずり五回途中で降板。


しかし、救援した上野山奨真投手(同)が力投を見せた。


 7点を追う最終回。連打で一、二塁と攻める。中村恒星主将(同)の母和代さん(46)が


「いつものようにつないで、つないで」と祈る思いでグラウンドを見つめるが、


あと一本が出ず、「伝統の強打」もついに及ばなかった。