東京電力の勝俣恒久会長は、福島第一原子力発電所の事故のあと、30日、
初めて記者会見し、今回の事故について陳謝するとともに、福島第一原発の
1号機から4号機については廃炉にせざるをえないという考えを明らかにした。
この中で勝俣会長は、「建屋の爆発や放射性物質を外部に放出したことによる
大気への拡散などで、広く社会に不安とご心配、ご迷惑をおかけし、心から深くおわび申し上げます。
さらに、発電所の周辺の住民には、大地震や余震に加え、放射性物質の放出によって
避難や退避など過酷な状況となり、苦労をおかけしていることを申し訳なく思います」
と述べ、陳謝した。さらに、「原子炉の最終冷却ができていない状況だ。
原子炉の安定を保てるように最大限努力する」としたうえで、
「1号機から4号機についての状況を客観的に見ると、廃止せざるをえない」と述べ、
廃炉にせざるをえないという考えを明らかにした。
また、今回の事故についての東電としての補償については、
「放射性物質の拡散によるさまざまな損害に対して、国の原子力損害賠償制度に基づいて、
補償に向けた準備を進めている」と述べた。
計画停電については、「多くの方々に大変なご不便をかけており、心からおわび申し上げたい。
夏場に向けて供給力の確保に全力を挙げて、4650万キロワットまで供給能力を増やすとともに、
ガスタービン発電機などでさらなる上積みを目指したい。
また、需要面でも、政府が検討している総合的な節電対策と緊密に連携を取り、
国民や産業界の協力を得て、夏の計画停電を最小限にとどめ、さらに回避できるように、
あらゆる努力をしたい」と述べ、一連の問題を受けた経営責任について、勝俣会長は
「当面は、今の事態をいかに安定、収束させるのか、それが最大の経営責任だ」とコメントを残した。
