金子みすゞ童謡集『わたしと小鳥とすずと』。


震災後、繰り返し流されたACのCMたち。耳にこびりつく「ポポポポ~ン」などは一時期、


近所の子供たちがみんな口ずさむなど社会現象!? 


のようにまでなっていた。一方、他の印象深かったのは、ケンカをした子供たちのストーリーに合わせて、


歌手のUAが金子みすゞの「こだまでしょうか」を静かに朗読するACの2001年度東京地域キャンペーンCM。


「『遊ぼう』っていうと『遊ぼう』っていう。『ばか』っていうと『ばか』っていう。


『もう遊ばない』っていうと『遊ばない』っていう。そうして、あとでさみしくなって、


『ごめんね』っていうと『ごめんね』っていう。こだまでしょうか、いいえ、だれでも」


この後、男性の声で「やさしく話しかければ、やさしく相手も答えてくれる」


という語りが入る……という構成で、日本が今、こういう状況だけに改めて人と人のつながりを考えさせられるCMであったと思う。


このCMの影響で金子みすゞ童謡集『わたしと小鳥とすずと』(JULA出版局)という本が


品切れになるほど売れているらしい。