東北の被災地だけでなく、首都圏もガソリン不足になっている。


東京や神奈川、埼玉ではガソリンスタンドにクルマの列ができ、東名高速や中央道では給油制限を実施している。あちこちでガソリンが売り切れになっていて、半年分の備蓄石油があるはずなのに、どうなっているのか。

 今回の地震では、コスモ石油の千葉製油所が火事になり、ゼネラル石油の川崎製油所も操業停止になるなど、国内の原油処理能力の27%が失われている。


全国的にガソリンが不足しているわけではないようで、石油連盟に聞いてみた。


「全国のガソリンの在庫量は216万9586キロリットルあり、西日本では不足しているという報告はありません。ただ、関東は8カ所ある製油所のうち4カ所が操業停止になり、流通にも支障をきたしているためうまく行き渡らないのです」。


 経済産業省は「被災地優先で緊急車両や人命救助、原発地区の住民の避難に使われています」と言うが実際は現地でも自衛隊の車両用ガソリンが不足しているという。


関東から東の地域はどこもガソリンが不足しているのだ。

 こうしたガソリン不足に首都圏では消費者の心理的パニックが重なる。立教大教授の郭洋春氏が言う。

「コンビナートからガソリンを運べないことのほかに、一般の人たちが“買いだめ”に走っていることも大きい。テレビで製油所の大火災を見て“ガソリンがなくなる”という不安から買いに走り、関東大震災が起きたらクルマで逃げようという気持ちが拍車をかけている。トイレットペーパーまで品薄になっているという現実がパニックを物語っています。大企業が買い占めてるわけではありません」という。


こうした状況は一ヶ月くらいは続くのではとの見方が強い。